新型コロナウイルスの予防:日常生活で気を付けるべきポイント

日本国内でも感染者が増え続けている新型コロナウイルス。

拡大を防ぐためには、接触・飛沫感染予防が重要ですが、ここでは実際の日常生活で気を付けるべきポイントについて解説していきます。

新型コロナウイルスにおける日常生活での注意点

マスクは万能ではない、触れる場所と触れた後の手指衛生が重要

日本ではマスク不足が問題になっています。

もちろん、新型コロナウイルスの感染予防にマスクは重要ですがマスクだけしていれば、新型コロナウイルスにかからないわけではありません。

マスク表面にウイルスがついた場合に、その部分を触った手などで他の場所を触ったり体の一部を触った時点でウイルスは触れた部分に付着します。

そのため、マスクだけでなく手を肩以上に挙げて触れないことが重要です。

触れる時はその前に手洗いや手指衛生を必ず行いましょう。

通勤や通学時の気を付けるべきポイント

  • マスクを適切に着用する
  • 徒歩や自転車や自家用車など公共機関をなるべく避ける
  • 公共交通機関を利用するときは、車内のものに手を触れない

通勤や通学時に気を付けるべきポイントは上記の3つです。

マスクをつけていても鼻が出ていたり、隙間があると意味がありません。

そしてなるべく多数の人が利用する公共交通機関を避けることが重要です。

ただ、公共交通機関を利用しないことはなかなか難しいので、利用するときはしっかりとマスクを着用し、車内のものに手を触れない

触れた場合は、その手で他の場所や体の一部を触る前に手指衛生もしくは手洗いをすることが重要です。

職場での注意すべきポイント

  • 発熱など体調不良がある場合は、職場に行かない。
  • エレベーターに乗った時は、ボタンなどに触れた後必ず手指衛生や手洗いを行う。
  • 階段を使用して、なるべく人込みや密集する場所を避ける。
  • 部屋の出入りや移動の前後は必ず手指衛生、手洗いをする。

職場で注意すべきポイントは上記の4つです。

通学・勤前の確認が必要ですが、発熱や倦怠感などの体調不良がある場合は出勤や登校せず休むことが重要です。

エレベーターのボタンやエスカレーターの手すりなどは、不特定多数の人が触れる場所であるためなるべく触れないようにすること。
触れた場合は、必ず手指衛生や手洗いを行うことが重要です。

また、エレベーターは密閉や密集空間になるためなるべく避けて階段などを利用することも重要です。

職場での食事の時の気を付けるべきポイント

  • 食堂やレストランを利用する場合は、混雑を避けるために食事時間をずらす
  • 食事の直前にマスクを外す。食事前後には必ず手洗いを行う。
  • 料理はシェアしない

食事の際の注意すべきポイントは上記の3つです。

どうしても食堂などは密集空間になるため、なるべく食事の時間をずらすことが重要です。

また、食事の直前にマスクを外し、食事前後には必ず手洗いを行います。マスクを外す際は表面には触れず、紐の部分をもって外すことも重要です。

そして楽しい食事の時間ですが、会話は最小限にして料理をシェアすることは避けることが重要です。

帰宅時の注意すべきポイント

  • マスクを取り外してから手洗いや手指衛生を行う。
  • アルコールを含むクロス等を使用して携帯電話や鍵などの手が触れる部分を消毒する。
  • 宴会など大人数で集まらない。

帰宅時に注意すべきポイントは上記の3つです。

家に帰ったらまずはマスクを外して、手洗いや手指衛生を行います。ここでもマスクを外すときは表面には触れないように気を付けることも重要です。

また、可能であれば手がよく触れる携帯電話やスマートフォン、鍵などの手が触れる部分をアルコールを含む除菌ティッシュなどを用いて消毒します。

さらに、仕事の後は宴会やパーティーなど大人数が集まる場所に行かないことが重要です。

自宅で注意すべきポイント

  • 外出は自粛します。外出する際には必ずマスクを着用します。
  • トイレの後にはハンドソープで手洗いをする。
  • 寝室は定期的に窓を開けて換気を行う。

自宅での注意すべきポイントは上記の3つです。

まずは不要不急の外出を控えます。

トイレの後にはハンドソープで手洗いを行います。

また、寝室など長時間生活をする空間は、窓を定期的に開け換気をすることが重要です。

マスクの捨て方

  • マスクをつける前後に手指衛生や手洗いを行い、外す際は必ず紐の部分をもって外す。
  • そのままビニール袋などに包んで廃棄する。
  • ゴミ箱のとってなど、高頻度に手が触れる部分はアルコールを含むティッシュなどで消毒を行う。

最後に最も重要なマスクの着脱の際に気を付けるべきポイントは上記の3つです。

マスクをつける前も外す際も必ず手指衛生や手洗いを行います。

特に外す際は、マスクの表面にウイルスが付着している可能性があるため、表面に触れないように外し、廃棄後必ず手指衛生や手洗いを行います。

また、ごみ箱も不潔になるため可能であれば消毒を行うことが重要です。

コロナウイルスは世界で拡散を続けています。

自宅での自粛はもちろん大切ですが、自粛とともに各ポイントに気を付けた感染対策が重要です。

 

児童虐待を予防するために:介入から支援へ

児童虐待が近年日本でも多く問題になっています。

児童虐待の防止等に関する法律は、平成12年に深刻化する児童虐待の予防と対応のために制定されました。

古くは、昭和8年に旧児童虐待防止法が制定されています。

虐待を発見したら、まずは親子を隔離することよりも支援が大切

日本よりも約30年早く、児童虐待防止法が制定されたアメリカ。

アメリカも児童虐待対策は介入から予防重視へ変わってきました。

児童虐待を防ぐには支援が重要

児童の虐待対策には、特効薬などは存在しません

虐待死が報じられるたびに世間は胸を痛めますが、リスクがあるなら子どもを保護しないといけない。
親子を分離する介入を早くすべきだったといわれることが多いのが現状です。

アメリカも子供を保護するという介入が第一との道を進んできました。

しかしアメリカの今は予防と早期の家族支援こそ重要で効果的という教訓に行きつきました。

アメリカでの虐待への支援体制

アメリカは1980年代までに通報・調査・保護の態勢が整いました。

しかし、親元に帰れない子の中には里親家庭を何十カ所も転々とする子もいることが問題になりました。

親との分離後も子どもの人生は続くという、当たり前で重い事実への解決策がありませんでした。

90年代になると、予防や親子の再統合のための親支援が重要視され始めました。

特に低所得・初産の家庭を看護師が妊娠期~2歳に定期訪問するNFPというプログラムは、虐待が半減するなどの効果が実証されました。

NFPは、5歳まで通うHFAという家庭訪問プログラムと合わせて全米で支持され、爆発的に広がりました。

妊娠期の支援

妊娠期は、女性にとって大きな変化の時です。

そのため妊娠していないときよりも助けを必要とし、信頼感の中でケアを提供できれば人生を変える機会になります。

育児だけでなくパートナーとの関わり方、メンタル、雇用や金銭管理など、幅広い問題に関わることができます。

このような問題が悪化してから親子を分離したり、家族を丸ごと支援したりするのはタイミングが遅く、コストもかさむ上に効果が得にくく、親子も支援者にも負担が大きいです。

予防に注目した、多様な支援が大切です。

支援と税金の問題

しかし支援が必要といっても支援するためにはお金が必要です。

2010年にオバマ政権が予防の柱である家庭訪問に連邦予算をつけるまでの道のりは、とても長いものでした。

子どもの命を救うことに異論を唱える人はいなくても、ダメ親に税金を使うのはおかしい、という意見が根強くあるためです。

多くの人にとって、虐待する親は別世界の人間で虐待するような親は子どもを持たない方がいいという考えがあります。

この壁を乗り越えるためには、社会を説得するための効果の検証が必要不可欠です。

さらに虐待の原因は必ずしも親だけではなく、環境にある場合もあります。

単純に親を再教育すればよいというものではなく、頼れる人やサービスなど家庭支援の多様な資源を地域に作ることも大切です。

支援とともに介入の継続も必要

どれだけ支援の体制を確立しても育てられない親もいるため、介入の継続も必要です。

その場合は、的確にリスク判断をして分離した後、子どものために永続的な家族を見つけてあげる態勢を整えることも不可欠です。

ただ日本はアメリカとは違い、低成長の時代に入ってから虐待対策を手厚くしなければならない難しい状況です。

財源が豊富にあるならまだしも、予防や介入、家族の再統合。
どこにどれだけ予算をつけるのか、効果的な手法は何か。よく考えて進むべき局面だと思います。

日本での虐待に対する取り組み

日本でもこれまでに紹介した米国の取り組みなどを参考に、より効果的な虐待予防を目指す動きが広がっています。

赤ちゃんが泣きやまないと悩んだ親が、子どもを強く揺さぶり、重い障害や死に至らせてしまうこともあります。

現在の日本では東京医科歯科大と連携して開発・導入したタブレット型端末のアプリを母親に操作してもらい、泣きやまない時の対処法を動画も交えて伝えることが始まっています。

乳児のいる世帯への家庭訪問は、かつて国内では自治体レベルの取り組みだったが、虐待の早期発見のため、09年度施行の児童福祉法で生後4カ月までに全戸を対象に行われることになりました。

ただ、区によっては訪問の主力を担う保健師が不足し、限られた時間で親たちの状態や悩みと向き合わざるを得なくなっています。

アプリ導入で虐待のリスクを軽減

2018度から試験的に導入されたアプリがあります。

親に質問に順に答えてもらうだけで心身の状態がわかり、虐待リスクを把握する助けになるというもの。

育児方法やDVの相談先など、様々な動画や情報も見ることができ、より細やかな支援が可能になっています。

子どものころ虐待された人が大人になった時に精神障害が現れ、生活保護を受けながら見守り対象になる場合も少なくありません。

このような負の連鎖を断ち切るには、予防的な早期支援が重要です。

さらに支援を届きやすくするためなら、経験で培った直感の上にアプリのようなツールも必要なのかもしれません。

そして、最も大事なことは介入ではなく、もっと国は予防に注力することが必要です。

家庭訪問の充実に加え、それにかかわる人も増やす必要があります。

ワクチンのこれから:次世代ワクチン

病気の予防に重要なワクチン接種。

薬剤師の視点で世界のワクチン事情や新しいワクチン、また親の視点からワクチンについてきさいしていきます。

少し専門的な話になりますが、どうかお付き合いください。

病気の予防に重要なワクチンの知識入門

世界のワクチン5社と日本

現在、次世代ワクチン候補が続々と開発中されています。

米国研究製薬工業協会(PhRMA)によれば、米国で開発中のバイオ医薬品901剤(2011年)のうち、298剤はワクチン製剤であり、抗体医薬の300剤とほぼ同じ程度。

そのため、世界のワクチン市場規模は約2兆円(全医薬品の約 3%)から2023年には12兆円(1000億ドル)に成長すると見込まれています。

こんな内容ばかり書くとワクチンを金儲けのために、と言われてしまうかもしれませんが、そうではなくそれだけ必要とされているとご理解ください。

なお、2011年の世界市場はGSKやサノフィをはじめとする海外企業わずか5社で80%をシェアす
る独占状態であり、残念ながら国産ワクチンメーカーの存在は見る影もないのが実情です。

しかし、15年に開催された日本ワクチン学会のテーマは「オールジャパンでの新規ワクチン創製お
よび接種環境向上へむけて」
でありました。

日本がワクチン後進国(ワクチンギャップ)の段階からワクチン先進国へと舵を切ったターニングポイントでした。

次世代ワクチン開発のポイント

次世代ワクチン開発のポイントは以下の3つあります。

  1. 混合ワクチン
  2. 投与方法のイノベーション
  3. 製造法

1つ目は混合ワクチンについて

複数の感染症を予防(個人免疫)するとともに、接種率向上(集団免疫)を図ります。

そうすれば免疫不全や白血病などワクチン接種できない子どもたちも守ることができます。

また、通院回数が減るので母親の利便性が高まるばかりか、メーカーのコストも下がり、医療用廃棄物も減ります。

欧米(一部の途上国でさえも)は4~6種混合が主流となっています。

サノフィパスツールの5種混合 Penacel®(百日咳、ジフテリア、破傷風、ポリオ、ヒブ)や6種混合(+B型肝炎)があれば母親も医師も非常に助かります。

あの複雑極まりない定期接種スケジュールをこなすのは一苦労だと思います。

経験したことある親御さんは、共感していただけるかと。

15年12月に発売された第一三共の百日せき、ジフテリア、破傷風及びポリオを予防する「スクエ
アキッズ(R)皮下注シリンジ
」は、DPT ワクチンとサノフィの不活化ポリオワクチン(ソークワクチン)をプレフィルドシリンジに充填した4種混合ワクチンです。

2つ目は投与方法のイノベーション(投与経路・デリバリー)。

(1)経鼻型・噴霧型ワクチン(粘膜免疫)

(2)針なしワクチンと皮内型ワクチン、経皮ワクチン

の2つが注目されています。

(1)は、既に米国で鼻腔噴霧インフルエンザ弱毒生ワクチン(メドイミューン社/英アストラゼネカ)
として使用が開始されています。

第一三共は15年9月、同剤の国内ライセンス契約を締結しました。

一方、国立感染症研究所は安全性が高い経鼻不活化インフルエンザワクチン(新型インフルエンザ)を開発中。

生ワクチンの適応とならない乳児や高齢者も使えます

粘膜ワクチンは体液性免疫と細胞性免疫の両方を誘導できるため、感染症予防のための次世代ワクチンとして期待されています。

(2)では、米国のPharmaJet社の「針なしインフルエンザワクチン」(18 歳から 64 歳まで)の評価が高いです。

Safe(安全)Easy(簡単)Cost-Effective(コスト効率の高い)Comfortable(苦痛がない)の4つのメリットがあるといわれています。

一方、国内では第一三共とテルモが開発した皮内投与型インフルエンザワクチンがあります。

メリットは2点。

1つは、痛みが少ないこと。
皮下組織の末梢血管及び神経に対するリスクを低減されました。

もう1つは皮下や筋肉投与より免疫効果が高いこと。
皮膚上層部には樹状細胞が多いため、皮内用なら効率的抗原が送達され、従来の皮下に比べ有効性が高いといわれています。

3つ目は、製造法。

日本のワクチンは製造に時間がかかるといわれている鶏卵培養ですが、世界では臨機応変に生産
でできる細胞培養が主流です。
卵アレルギーがある場合。。といわれるのもこのためです。

日本でもパンデミックインフルエンザに備え、乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチン(プロトタイプ)筋中用(武田薬品など)が承認されました。

水痘多価ワクチン(国産の次世代高付加価値ワクチン)

最後に、メーカーのワクチン開発では子を持つ母親の視点がますます重要になります。

その理由は二つあります。

一つは、乳児や子どもにとってワクチンがない感染症がまだたくさんあることです。

  • りんご病(伝染性紅斑)
  • 手足口病
  • ヘルパンギーナRSウイルス感染症
  • 突発性発疹
  • 乳児ボツリヌス症

あげるだけでもきりがありません。

もう一つの理由は、副反応を過剰に恐れているワクチン嫌いの母親は世界中にいることです。

裏返せば、日本を含む世界のワクチンメーカー(特に独占5社)にとって、最大の脅威は

母親の厳しい目―副反応(訴訟)や供給不足―であるともいえます。

その供給不足が日本で起きました。

15年12月時点で、化血研が製造するワクチン(日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎)が不足しました。

同社のワクチン10製品と血液製剤12製品の不正製造が発覚して厚労省が行政処分(出荷自粛)されたためです。

ワクチンを製造/供給するには時間がかかる(鶏卵培養の場合)。

そのため、臨機応変に製造できる細胞培養が必要なのです。

子を持つ母親の視点

複数の感染症を予防できる水痘多価ワクチン(おたふくかぜ、麻疹、風疹抗原遺伝子含む)は、わが
国の期待の星になる可能性を秘めています。

言い換えれば、1 種類の生ワクチン接種で複数のウイルス抗原に対する免疫能が誘導され複数のウイルス感染に対する防御効果が期待できるワクチンです。

このワクチンは国が推進する次世代・感染症ワクチン・イノベーションプロジェクトが取り組む次世代高付加価値型ワクチンの 1 つで、世界から評価されている阪大微研(以下、ビケン)が開発した岡株水痘ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)をベースとした組換え多価ワクチン。

水痘ワクチンゲノムのクローン化を世界で初めて大腸菌内で行い、生ワクチンとして最適なベクターを選出した。

たしかに1回接種で終生免疫が獲得できる優れものだが、コスト高と組み換えウイルスの安全
性(倫理問題)の解決が今後の課題です。

予防に大切なワクチン:新たなワクチンの開発~一つのタンパクで二つのワクチン効果~

薬剤師目線:病気の予防の一つとして重要なワクチン

現在でも様々なワクチンが保険適応となり、定期接種や任意接種の違いはあるものの病気の予防に多大なる貢献をしています。

ワクチンには生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドなどの種類があり、接種間隔などが違います。

ワクチンの違いについては、下の記事で記載していますのでぜひご参照ください。

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そして、基礎研究者、臨床医、製造・開発研究者、疫学研究者の多様な分野の研究者が集まり、ワクチンの開発や臨床への対応を目的として活動を行っている日本ワクチン学会

毎年行われている学術集会にて、新しいワクチンについてのシンポジウムがありました。

今までのワクチンは基本1対1のワクチン効果があります。
要するにインフルエンザワクチンはインフルエンザに効果が、麻疹風疹ワクチンはそれぞれ麻疹と風疹にワクチン効果があります。

細かくインフルエンザの型などの違いはあるものの、病原体1つに対して1つのワクチンです。

今回研究の成果が報告されたワクチンは、1つのワクチンで2つのワクチン効果があるというもの。

ウェルシュ菌毒素ベロ毒素の両方に効果のあるワクチンについてです。

2 つのワクチン効果発揮する蛋白作製

第22回日本ワクチン学会学術集会(会長・森康子神戸大学大学院医学研究科附属感染症センター臨床ウイルス分野教授)が2018年12月8、9日、神戸市内で開かれ8日にシンポジウム 1「新規ワクチン」がありました。

そこで発表された内容は、一つのワクチンがウェルシュ菌毒素とベロ毒素の両受容体に結合するというもの。

病原・共生微生物のユニークな機能を用いた新規ワクチン・アジュバント開発の新展開

での発表です。

ウェルシュ菌毒素とベロ毒素の両方の受容体に結合する蛋白を作製。

有効性が確認されたと報告されました。

ひとつの蛋白でふたつのワクチン効果が得られるとまとめています。

製造の観点からも有利、実用化に向け研究

研究のきっかけは少し難しい話になりますが、

腸管に多数存在するIgA抗体産生細胞の中に、高いIgA抗体産生能力を持つCD11b陽性IgA細胞を発見したことです。

難しい話はさておき、腸管出血性大腸菌 O157 やウェルシュ菌による細菌性食中毒は年間 2000~3000 人が発症するといわれています。

治療法やワクチンは現時点では存在しません。

ウェルシュ菌は、食品を介して経口感染し腸管内で増殖、エンテロトキシン(CPE)という毒素を産生することで食中毒を引き起こします。

研究では、毒性部位を除いたベロ毒素の受容体結合部位であるVT2BとC-CPEを結合させた蛋白を作製。

このVT2B-C-CPEに毒性はなく、ウェルシュ菌毒素とベロ毒素の両方の受容体に結合し、ウェルシュ菌毒素に対する中和抗体が誘導されたとのこと。

さらに、ウェルシュ菌毒素は高カリウム血症を起こしますが、VT2B-C-CPEを投与したマウスはウェルシュ菌毒素を注射しても、中和抗体があるので正常なままだったと結論づけています。

ベロ毒素の代わりにコレラ毒素抗原と融合したCTB-C-CPEも作製し、マウスに投与後、それぞれの毒素を注射しても下痢の症状を抑えることができたと説明。

これまでの多価ワクチンは別々のものを作って混合するタイプがほとんどでした。

四種混合や三種混合ワクチンと呼ばれるものがそれです。

今回の方法では、ひとつの蛋白でふたつのワクチン効果が得られます。

製造の観点からも優れており、今後は実用化に向けた研究が行われるようです。

まとめ

今回は現在行われているワクチン研究の話について、記載しました。

普段あまり、研究が身近でない人にもワクチンや薬が世の中に出るまでの流れを少しでも伝えられたらと思います。

今回の記事が何年後かに、ついにあの記事のワクチンが出たのか!!

と言われるのもそう遠くないかもしれません。

腸管出血性大腸菌もウェルシュ菌も、悩まされる病原体の一つです。

予防としてのワクチンが開発されれば、苦しむ患者さんも少なくなるかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

ポリオ根絶を目指して~生ワクチンと不活化ワクチン~

最近では風疹の流行がクローズアップされています。

同じワクチンでもポリオという名前は聞いたことがあるでしょうか。

実は人類とポリオはとても長い闘いがあり、ワクチンの普及によっていポリオ根絶まであと少しというところまできています。

残念ながら、今問題になっている、風疹はまだ根絶には程遠いのが現状です。

まだまだ流行は収まっていないので、妊娠を希望する女性やそのパートナーは風疹ワクチンの接種をおススメします。

風疹に関しては、詳しくは下記の記事をご参照ください。

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今回はポリオについてのお話です。

薬剤師目線:ポリオ根絶に向けて

ポリオの根絶、と聞いて某人気アニメキャラクターを思い出す方は記憶力がすごいと思います。

実は2005年に、未来の世界のネコ型ロボットがポリオ根絶に向けてCMを行っていました。

今でもまだ見ることができるので、ご興味ある方はこちらを。

ポリオ根絶まであと少しなんです!

と強く宣言する印象的なCM。

その後、十数年が経ちましたが、ポリオは世界から根絶されたのでしょうか。

結論としては、残念ながら2018年の現時点では根絶にいたっておりません。

ポリオ(急性灰白髄炎)

ポリオ(急性灰白髄炎)は、脊髄性小児まひとも呼ばれ、ポリオウイルスによって発生する病気です。

感染経路は、手洗いが不十分な時などに、ポリオウイルスに感染した患者の便中のウイルスを経口摂取する経口感染が主体です。

体内に入ったポリオウイルスはのどや腸管で増殖し、リンパや血液の流れに乗って神経細胞に到達します。

神経細胞内で増殖する過程で、体を動かす運動神経細胞を特異的に傷害するのです。

典型的な症状としては、数日間の発熱や倦怠感の後に、突然筋力低下が出現します。

ポリオウイルス

ポリオウイルスは脊髄、特に腰髄を傷害する頻度が高く、下肢まひの患者が多いと言われています。

傷害を受けた神経細胞は元に戻らないため、まひは回復せず、生涯にわたって残ります。

生涯治らない症状を、不可逆的といいますが、ポリオのまひは不可逆的な症状で、これが問題視され、ワクチン開発に至りました。

実際の症状

症状の程度は様々です。急速に呼吸筋のまひが進行して死に至ったり、まひと筋肉の萎縮が強く歩行ができなくなったりする重症例がある一方で、注意して診察しないとまひに気づかない軽症例も存在します。

これは、病変の及ぶ神経細胞の数によると考えられています。

また、感染者の90%以上は感染しても症状が出ない場合(不顕性感染)もあり、まひ性ポリオになる患者の割合は数百人に一人とされています。

好発年齢

発病しやすい年齢は5歳以下で、一般には小児まひと呼ばれ、恐れられてきました。

19世紀後半から20世紀前半にかけて欧州や米国で数万人規模の大流行が起きました。

日本にも1950年代終盤にポリオ流行の大きな波が押し寄せ、1960年には患者数が5千人を超え、史上最悪の年といわれました。

ポリオは社会的大問題となり、テレビでは毎日、その日に判明した新規患者数を定時のニュースで流していました。

ワクチン開発~生ワクチン(OPV)と不活化ワクチン(IPV)~

日本でも大流行した翌年の1961年、日本はソ連(当時)とカナダから弱毒化経口生ワクチン(OPV)を緊急輸入し、全国の小児に一斉投与しました。

その効果は絶大で、流行は瞬く間に終息しました。

生ワクチンのとは病原体を殺さずに精製した、という意味です。

ワクチンの種類などに関しての詳細は下記の記事もご参照ください。

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ポリオワクチンの登場は1950年代半ばで、当初は、死んだ病原体やその成分のみを使用した不活化ワクチン(IPV)が支持されました。

しかし、OPV の方が IPVに比べ優れた集団免疫効果を発揮しました。

集団免疫効果とは、集団における大多数がワクチンの予防接種を受けた場合、その中で感染 者が現れてもワクチン未接種者への感染拡大が抑制されることです。

ポリオ弱毒化経口生ワクチン

生ワクチン(OPV)は安価で、輸送面にも優れ、投与も口からであり簡便であることから、1960年代以降、世界中に普及しました。

日本では1964 年から国産OPVの定期接種(当時は、生後3カ月以上4歳未満に、41日以上間隔をあけて2回接種)が開始され、80 年を最後に野生型ポリオの発症は見られません。

野生型とはワクチンを原因とするものではない、という意味です。

2017 年時点で残された野生型ポリオの流行国はパキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアのみとなりました。

生ワクチンの影響

日本で野生型ポリオの発症は見られなくなりました。

ところが、OPVでは、250万~500万接種に1回の割合で自然のポリオと同じようなまひ症状(ワクチン関連まひ性ポリオ感染症=VAPP)を示すことがあります。

OPVの高い予防効果はこれまで何よりの恩恵だったのですが、野生型ポリオ感染症が見られなくなった先進国などではより安全なワクチンが求められるようになり、90 年代終わりごろから先進国を中心にVAPP発症のリスクがない不活化ワクチン(IPV) への転換が進められました。

ポリオワクチンの定期接種

日本では他の先進国に10年ほど遅れて 2012年9月、定期接種のポリオワクチンがOPVからIPVへ切り替わりました。

現在、IPV は生後3カ月から接種可能であり、3~8週間間隔で3回、3回目の約1年後(6 カ月後から接種可能)に4 回目を接種します。

接種スケジュールなどの詳細はこちらをご参照ください。ポリオ以外のワクチンも記載されています。

IPVの普及によってポリオ根絶への道は最終段階に入ったといえるのではないかと思います。

ただ、海外から日本への渡航者が感染していて、日本国内で感染が発生する可能性はまだあります。

ポリオウイルスの根絶が確実となるまでは、各国でワクチン接種による免疫維持の努力は続けていかなければなりません。

まとめ

予防接種の健康被害が社会問題化したことから、1975年~77年生まれの人では接種率が低下しました。

ポリオウイルスに対する抗体保有率は約40~60%と、他の世代(80%以上)に比べ低いと言われています。

ポリオワクチンの接種歴が母子手帳で確認できない人でも、抗体の有無は簡単な血液検査で調べられますし、予防接種自体も可能です。

風疹が話題になっている今、風疹以外の抗体があるかないか今一度確かめてもいいのかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

感染症の予防と治療~アデノウイルス感染症~

アデノウイルスは、さまざまな感染症の原因となるウイルスのうちの一つです。

感染経路としては、飛沫・接触・経口と多岐にわたります。

基本的にウイルスなので、これから記載する感染症に抗菌薬は効きません。

アデノウイルス感染症の予防と治療について書いていきます。

アデノウイルスが原因で起こる、流行性角結膜炎については、以下の記事も参照ください。

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薬剤師目線:アデノウイルスについて

アデノウイルスは 50 種類以上の型が報告されていて、それぞれの型によって

  • 咽頭炎、扁桃炎、肺炎などの呼吸器疾患
  • 結膜炎などの眼疾患
  • 胃腸炎などの消化器疾患

上記に示すような、多彩な症状を引き起こすことが知られています。

感染経路は、患者のせきやくしゃみで飛び散るウイルスを含む粒子による「飛沫感染

患者の皮膚や粘膜などに直接触れたり、患者が触れてウイルスが付着した物体に触れたりすることによる「接触感染

手洗いが不十分であることなどで患者の便中のウイルスを経口摂取する「経口感染」など多様です。

体の外に排出された後でも、感染力を長時間維持できる強いウイルスなので、感染した人が触った物や、プールの水も感染源になります。

日常よく見られるアデノウイルス感染症について簡単に説明します

呼吸器感染症

扁桃に白いうみを伴う、急性の咽頭扁桃炎があります。

38~40 度以上 の高熱が 3~7 日間続き、のどの痛みで水分が取れなくなり、ぐったりした様子で外来を受診する患者がいます。
上気道の感染がほとんどで、下気道の感染は非常にまれですが、アデノウイルス7型で重症の肺炎を発症したという報告もあります。

流行性角結膜炎

充血や目やにのほか、「涙が流れる」「まぶしい」といった症状が出ます。

症状が重く感染力も強いので、子供だけでなく大人も注意が必要です。

角膜混濁が数カ月続くこと もあり、眼科での早期診断と適切な治療が重要となります。

咽頭結膜熱

急性咽頭扁桃炎の症状に結膜炎を伴うものです。

主にアデノウイルス3型が原因です。
プール熱とも言われ、夏に流行します。

プールで流行するのは、プールの水が直接目に入ることやタオルの貸し借りが原因と考えられるので、プールに入った後には、

  • 十分にシャワーを浴びる
  • 症状がある場合はプールに入らない

といった注意が必要です。

急性胃腸炎

発熱、嘔吐、下痢などの症状が出ます。

乳幼児に多く、保育園や幼稚園などの集団生活をおくる場所での流行が見られることがあります。

特徴の一つとして、ロタウイルスと同じように白色の下痢が見られます。

便の中にウイルスが排泄されるので、患者だけではなく、おむつ交換をする保護者の方や保育園や幼稚園の先生なども含め、感染予防の手洗いをしっかり行うことが重要です。

アデノウイルス感染症の治療

アデノウイルス感染症は、外来で10分以内に調べられる迅速キットというものがあります。

そのため、症状や身体所見から疑わしい場合は検査をすることがあります。

アデノウイルスには抗生物質は効きません
また、アデノウイルスに対する抗ウイルス薬もありませんので、治療は、症状を和らげる対症療法が主体になります。

対症療法とは、症状を和らげる治療のことであり、せき、鼻水、のどの痛みを和らげる風邪の薬や、熱を下げたり、痛みを和らげたりする解熱鎮痛剤を使うことです。

感染した場合は、自宅で安静にし、十分な水分を摂取することが重要です。

水分が摂取できずに 尿の量が少ない、口が乾燥しているなど、脱水症状が見られる場合は点滴が必要となりますので、 早めに医療機関を受診することが重要です。

咽頭結膜熱(プール熱)と流行性角結膜炎は、学校保健安全法施行規則で出席停止期間が決められています。

プール熱は「主要症状が消退した後 2 日を経過するまで

流行性角結膜炎は「医師が感染のおそれが無いと認めるまで

です。

医療機関をしっかりと受診するようにしましょう。

まとめ

感染症の原因はさまざまですが、アデノウイルスによる感染症は比較的身近で、かつ感染力が強いのが特徴です。

中には、学校や職場を休まなければならない感染症もあります。

疑わしい場合は、登校や出勤する前に必ず医療機関を受診するようにしましょう。

ウイルスが原因の感染症はほかにもたくさんあります。下記の記事もよかったら、お読みください。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

高血圧予防に身近な食品~お酢で予防~

身近な食品であるお酢

実は高血圧の予防や整腸作用など、さまざまな健康効果が認められています。

生活習慣病の中でも多くの人が問題を抱えている、高血圧。

今回参考にした書籍はこちらです。

薬剤師目線:お酢の力について~高血圧予防~

実は、塩分を控えるよりも酢を毎日とるほうが効果があるとも言われています。
そう、お酢には数々の健康効果が認められているのです。

その中でも、もっとも有名なのは高血圧予防です。

お酢の酢酸には、血圧の上昇を抑える働きがあります。

では、どれだけ飲めばいいのか。
飲みすぎてもそこまで問題はないお酢ですが、そんなにたくさんは飲みたくないですよね。

実際の飲む量としておススメされているのは、

酢を大さじ1杯(15mL)を、 毎日とると血圧が下がることが確認されています。
さらに大さじ2杯とれば、その効果はわずか数日で現れるとも。

ただし、酢をやめてしまうと、血圧はもとの状態に戻ってしまいます。
少し大変ですが、毎日大 さじ 1~2 杯をとることが大事です。

何事も継続することが重要なんですね。

「高血圧対策には塩分を控えなさい」

とよくいわれますが、実は酢を毎日とったほうが、目に見える効果が実感できるといわれています。

お酢の力~整腸作用~

酢は腸内環境を整えて、腸の働きをより活発にするともいわれています。

また、血中の総コレステロール値が高い人を対象にした実験でも、酢の健康効果が実証されています。
酢を毎日大さじ1杯とった人はそうでない人に比べ、血中の総コレステロール値が低下していたのです。

さらに、酢をとることでカルシウムの吸収率が高まるので骨粗しょう症予防にもなります。

やはり中でも注目すべきはは、お酢の腸内環境を整える効果についてです。

腸内フローラ

私たちの腸には、約200種100兆個もの細菌がすんでいます。

彼らは仲間の細菌たちと集団をつくって生息しています。
その姿はまるで色とりどりの花が咲き誇るように美しいことから「腸内フロ ーラ」と呼ばれています。
最近ではテレビ番組などにも取り上げられているので、耳にしたことあるのではないでしょうか。

腸内細菌は、その働き方から便宜上

  • 善玉菌
  • 悪玉菌
  • 日和見菌

と分類されています。

腸内フロ ーラは、「日和見菌7割、善玉菌2割、悪玉菌1割」が理想のバランスです。
悪玉菌といっても、まったくいなければいいものでもないんですね。
何事もバランス大事。

腸名フローラが理想のバランスに保たれていると、腸内環境は整います。

短鎖脂肪酸をたくさんつくり出せるので、腸の働きがより活発になります。

ビフィズス菌

お酢には、ビフィズス菌のエサになる「グルコン酸」が豊富です。
ビフィズス菌は善玉菌を代表する仲間の一種で、嫌気性という酸素を嫌う性質を持ちます。
その性質によって、酸素の少ない大腸内に多く存在します。

お酢に含まれるグルコン酸を大腸に送ってあげることは、善玉菌の繁殖力を高める効果があります。

じつは、大腸内は、もともと悪玉菌が繁殖しやすい環境にあります。
悪玉菌は便をエサに繁殖していくからです。

悪玉菌が優勢になると、大腸内での腐敗が進み、有害物質をつくり出します。
有害物質は腸壁の働きを滞らせ、腸のなかを汚します。
そうして悪玉菌たちは、自分たちがすみよい環境をつくっていきます。

しかし、ビフィズス菌のような善玉菌が大腸内で繁殖していると、悪玉菌は異常増殖できなくなります。

善玉菌優勢に腸内フローラが整うと、短鎖脂肪酸の生成量が高まるからです。

短鎖脂肪酸

短鎖脂肪酸は酸性の性質を持つため、善玉菌が増えれば腸壁が酸性に整います。

悪玉菌は中性からアルカリ性の環境を好み、酸性の場所では増殖力を停滞させます。

反対に、善玉菌は酸性の場所を好み、増殖力を高めるのです。

こうした理想の腸内環境を築くうえで、お酢のグルコン酸はとても有効なのです。

リンゴ酢のお湯割りで、腸を元気に

1 日 1 杯のリンゴ酢をお湯割りで飲むだけで、腸は驚くほど元気になります。

ただ、お酢がいくら腸の健康によいといっても、原液のまま飲んではいけません。
酸が強いあまり、口の中や食道、胃の粘膜などを荒らしてしまいます。

酢の物が好きな人は、酢の物を食べるのもいいでしょう。

他にはこれからの寒い季節に温かいドリンクにして飲む人こともおススメです。

最近は「そのまま飲める酢」も多く流通しています。

ただ、市販で売られている「そのまま飲める酢」は飲みやすいように、食品添加物や合成甘味料が加えられていることがあります。

それならば、添加物を含まないリンゴ酢などのフルーツ酢に、大さじ 1 杯のハチミツを加え、お湯で割って飲んではいかがでしょうか。 お湯で割ると腸が温まり、蠕動運動も活発になります。

まとめ

お酢の驚くべき効果について、記載しました。

高血圧だけでなく、コレステロールを下げたり、骨粗しょう症にも効果があります。

特に重要なのは、整腸作用

これから寒くなり感染症も流行する季節になります。

1日1杯、リンゴ酢のお湯割りを飲むことで腸を元気にし、寒い冬を乗り切りましょう。

今回読んだ本は以下のものです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

糖尿病患者に、すべてのワクチン接種が必要な理由とは?〜感染症予防や合併症対策に効果的〜

生活習慣病はさまざまなものがありますが、

その代表格と言ってもいい、糖尿病

糖尿病には合併症も多く、

  • 腎不全
  • 動脈硬化
  • 末梢神経障害
  • 網膜症(失明)
  • 骨粗しょう症

上記のような合併が代表的なものとして挙げられます。

今回はm3.comという医療情報サイトから話題を抽出。

薬剤師や医療関係者なら登録まだの人は有益な情報たくさんなので、おススメです。

では、今回は糖尿病の患者にフォーカスを当て、

ワクチン接種の必要性について、

書いていきます!

糖尿病患者は全てのワクチン接種を!と、

専門家達は強く推奨しています。

薬剤師目線:糖尿病患者は感染症にかかりやすい?

そもそも、糖尿病患者は血糖コントロールが不良な状態が続くと免疫機能が低下するため、

様々な感染症にかかりやすくなると言われています。

そのため、アメリカにおいて糖尿病患者は、

一般的に推奨される予防接種を全て受けるべきだと強調しています。

糖尿病患者は高血糖状態が長く続くことで免疫力が低下し、

インフルエンザや肺炎、 B 型肝炎、破傷風、帯状疱疹などにかかりやすく、

また、深刻な合併症リスクも高まるといわれています。

糖尿病の患者こそワクチン接種を!

糖尿病の専門家であるアメリカの大学准教授は、

インフルエンザや肺炎、 B 型肝炎、破傷風、帯状疱疹などの感染症は、

ワクチンを接種することで予防できるとし、

全ての糖尿病患者は自分がどのワクチンを接種する必要があるかを知り、未接種のワクチンや再接種が必要なワクチンがないかどうかを医師に相談 すべきだ」と話しています。

糖尿病患者に勧められるワクチンについて

インフルエンザワクチン

季節性インフルエンザの予防にはワクチン接種が最も有効です。

糖尿病患者によくみられるインフルエンザの合併症には、

  • 血糖値の上昇
  • 肺炎
  • 気管支炎
  • 副鼻腔炎
  • 中耳炎

などがあります。

三種混合ワクチン(Tdap)

百日咳、ジフテリア、破傷風という深刻な感染症を予防するワクチンです。

三種混合ワクチンは10 年ごとに接種が必要とされています。
これ、実はあまり知られていません。

なお、日本国内では四種混合ワクチン(DPT-IPV;百日 咳、ジフテリア、破傷風、ポリオ)に含まれています。

妊婦さんへのTdapの接種も今後勧めらていくと思われます。
赤ちゃんを守るために。

妊婦さんへのワクチンを含め、その他食品などの安全性については、以下の記事もご覧ください。

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帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹を予防するだけではありません。

帯状疱疹や皮膚症状が消失した後に痛みが残る帯状疱疹後神経痛(PHN)、

これを発症するリスクを低減することもできます。

ワクチン未接種者では、

「帯状疱疹やPHNは高齢になるほど症状が深刻になる」

と言われているため、糖尿病患者だけでなく
50 歳以上の場合は帯状疱疹ワクチン接種をおススメします。

肺炎球菌ワクチン

糖尿病患者は肺炎球菌感染による死亡リスクが高いことがわかっています。

肺炎球菌って何?

と思うかもしれませんが、

肺炎球菌は脳の中に感染すると細菌性髄膜炎を引き起こし、
耳に感染すると中耳炎、
肺に感染すると肺炎、
血液中に入り込むと菌血症

を引き起こします。

糖尿病患者は、肺炎球菌ワクチンを65歳になる前に1回、

65歳以降にさらに2回接種することをおススメします。

B 型肝炎ワクチン

B 型肝炎は血糖測定器や指先の穿刺針といった治療器具を共用することで感染するといわれています。

ある研究によると医療従事者(病院で働いている人)は、

B型肝炎に知らないうちに感染する危険性があるとも言われています。

そのため、病院へ就職する場合はB型肝炎に対する抗体価(B型肝炎に対抗する力の値)を確認、

抗体価が低い場合は、ワクチンを接種してから就職します。

医療資格を有する場合は、学生実習などで病院を訪れるときのも

その抗体価が必要とされているので、現在の医療系大学生は抗体価を実習前に確認されます。

そして、糖尿病患者にとってもB型肝炎ワクチンの接種は非常に重要とされています。

なお、接種は60歳未満で推奨されていますが、60 歳以上の場合でも医師に相談することをおススメします。

まとめ

糖尿病患者へのワクチン接種について、まとめました。

ワクチンは病気の予防に多大な効果を示します。

最近では、子供のワクチン接種プログラムや地域の助成なども充実してきているため、
昔に比べて予防できる病気が増えてきています。

糖尿病の患者さんは、リスクがあることを認識してワクチン接種、

今一度考えてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございます。

空間除菌の有効性について。感染症予防効果は期待できる?

インフルエンザやノロウイルスなど、感染症が流行しやすい冬季になると、

二酸化塩素による空間除菌をうたった商品がドラッグストアなどの売り場で目に付くようになります。

インフルエンザについては、下の記事も合わせてお読みください。

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「お部屋の空気まるごと除菌」などの宣伝文句は、感染症予防意識の高い人々にとって、とても魅力的なものに映るかもしれません。

しかし、こうした空間除菌商品については、これまでもたびたび有効性が疑問視されてきました。

過去に実施された実験的研究から、薬剤師として空間除菌に関して考えてみようと思います。

そして調べていくうえでわかった、冬季のウイルスから体を守るすべについても書いています。

薬剤師目線:二酸化塩素について

まずは、空間除菌の主成分である二酸化塩素(ClO2)について。

高校で理系を選択、もしくは大学も理系で化学を学習した人にとってもあまり耳にしたことはない名前ではないでしょうか。

事実、私自身もこの製品が発売されて初めて耳にしました。

二酸化塩素(ClO)ガスは次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン、ハイター等)の約2.5 倍の酸化作用を有し、芽胞を含むすべての微生物に有効である。
要するに、ほぼすべての微生物に有効ということです。

しかし、実際には2014年に消費者庁から、二酸化塩素を主成分とする空間除菌グッズの表示について処置命令が出されました。

そういえば、最近CMなどであまり見かけない気がしませんか。

この処置命令は、景品表示法に違反する行為が認められたとして、表示を裏付ける合理的根拠が示されていないと指摘されたものでした。

実際の有効性について。複数の実験結果から

2011 年に国民生活センターが二酸化塩素によるウイルス除去や除菌作用については、複数の実験的研究によって報告されています。

そして空間除菌商品の製造メーカーは、消費者庁の指摘はあくまで広 告表現に関するものであり、製品自体の性能については、何ら問題はないと主張しています。

実際、マウスを対象にした実験ではインフルエンザウイル スに対する感染症の予防効果が示唆されています。

この研究では、ケージ内のマウスに、インフルエンザウイルスのエアゾールのみ曝露させた場合(10 匹)と、インフルエンザウイルスのエアゾールと二酸化塩素ガス(0.03ppm)を同時に曝露させた場合(10 匹)を比較した結果、二酸化塩素ガスがあった方が、3日後におけるマウスの肺の中のウイルス量が低いという結果が出ました。

しかし、この実験的環境と、実際のわれわれ人間の生活環境にはあまりにも差があり、この結果を人に対する効果として一般化することは難しいのではないかと考えます。

では人での研究はどうでしょうか。

2010年に行われた研究では、陸上自衛隊員を対象に二酸化塩素のインフルエンザに対する予防効果を検討した研究も報告されています。

二酸化塩素による空間除菌商品を設置した建物に勤務している群と、 設置していない建物に勤務している群で比較したところ、インフルエンザ症状の発症を比較すると、二酸化塩素を設置した方が発症を抑えられたという結果になりました。

とはいえ、この研究は観察研究であり、あくまで仮説生成型の研究です。

かなり難しい単語ばかりを並べましたが、要するにかなり偏った研究であると指摘されています。

実験的研究と生活環境とのギャップ

二酸化塩素ガスによる空間除菌商品の微生物除去効果で、細菌やウイルスの不活化が確認されたという結果は、どの場合でも湿潤環境下での実験で、空気中に存在するウイルスに対する効果ではありません。

実際にインフルエンザなどが流行する冬季は、乾燥しているため今までの実験条件とは到底当てはまらないものが多いのが現状です。

さらに、首から名札のようにぶら下げるタイプで身体に装着する、空間除菌グッズ 4 製品の二酸化塩素ガス放散について検討した報告では、どの製品においても 10cm 離れた場所で二酸化塩素はほとんど検出されなかったという結果になっている。

二酸化塩素は強力ですが、検出されないということは少なくとも微生物除去効果は期待できないものと考えられます。

薬剤師の視点

これまで報告されている論文が示しているのは、二酸化塩素ガスを用いた空間除菌商品の効果は、 使用環境中の相対湿度に大きな影響を受けるというものです。

微生物の除去に「効果あり」とする論文報告の多くは湿潤環境下での実験的研究であり、冬季の生活空間とは大きなギャップがある。

そして、実際の生活環境を想定した研究ではウイルスの不活化(元気をなくす)効果は明確ではありません。

そもそも、かぜを引き起こすウイルスやインフルエンザウイルス、ノロウイルスの感染経路は接触感染です。
要するに手などが触れた場所などから人にうつります。

エアロゾルによる飛沫感染もありえなくはないですが、空間除菌商品の感染症予防効果は極めて疑問です。

空間除菌商品を販売するメーカーは、感染症予防効果についてはうたっていません。
また、これらの商品は医薬品でも医薬部外品でもない「雑貨」として区分されるているものです。

現時点では、空間除菌として二酸化塩素が明確な効果を示す根拠はありません。

まとめ

今回、色々調べてみてわかったのは、

「広告に惑わされてはいけない」

ということでした。

しかし、いくつかの論文の結果を見るとインフルエンザなどのウイルスは、湿度は50~70%の環境ではウイルス量が減るということです。

乾燥の季節である冬に流行る、インフルエンザやノロウイルス。

一度かかると、つらい症状はもちろん学校や職場を休まなくてはなりません。

せめて家にいるときは、湿度を高めい保ってウイルスが嫌いな湿潤環境を作って予防しましょう。

また、予防としてはワクチンはもちろん、手洗いやマスクも重要です。

最後まで、見ていただきありがとうございました。

髄膜炎菌の怖さとワクチンの必要な集団について。

薬剤師目線:髄膜炎菌について

2017年の夏、ある大学の学生寮に入っていた10代の学生が髄膜炎菌に感染して、亡くなりました。

国内ではまれな病気ですので、原因菌もあまり聞き慣れない名前だと思います。
しかし、この髄膜炎菌によって引き起こされる侵襲性髄膜炎菌感染症は、命に関わる非常に危険な感染症の一つです。

今回は、その髄膜炎菌とワクチンの必要性についてです。

ワクチンに関しては、以下の記事も参考にしてみてください。

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潜伏期間と初期症状

平均的な潜伏期間は4日間。
初期症状は発熱、頭痛、吐き気など通常の風邪と似ています。

一方で、症状の進行は非常に速く、発症から半日ほどで、血液の中に菌が増殖する菌血症となり、さらに脳脊髄液の中に菌が侵入して髄膜炎を引き起こすと言われています。

髄膜炎

髄膜炎になると、不機嫌で感情が高ぶった状態から、眠りがちになり、意識障害へと進展します。

また、首の後ろ部分である項部の硬直がみられます場合もあります。

これは、髄膜の炎症によって、後頭部から首の筋肉が反射的に緊張し、首が前に曲がらなくなる症状です。
風邪症状にプラスしてこの症状があったら、注意が必要かもしれません。

その後、菌血症の進行によ り、血圧低下、副腎出血、多臓器不全(敗血症)を起こすことが知られています。

治療

治療としては、一刻も早くペニシリン系やセフェム系の抗生物質を静脈注射で開始することです。

抗生物質による治療の効果が出れば、2 週間前後で髄膜炎症状は軽くなります。

しかし早期から、高熱、けいれん、意識障害、血圧低下、全身の出血をきたす劇症型で発症し、 重篤な経過で、集中治療が必要な状態となることもあります。

このような経過から、発熱、せき、鼻水などの風邪症状に加えて、急激な頭痛、吐き気、意識障害、項部硬直の症状が現れた場合、髄膜炎菌などによる髄膜炎の可能性がありますので、できる限り早急に医療機関を受診することをお勧めします。

日本の現状

日本国内での最近の侵襲性髄膜炎菌感染症の患者発生は、

2013年 23 人
▽14 年 37 人
▽15 年 34 人
▽16 年 43 人
▽17 年 23 人
となっています。

死亡率は 15%と非常に高く、救命されても脳障害や難聴、身体障害などの後遺症が残ることがあります。

病原体である髄膜炎菌は、患者だけでなく健常者の鼻咽頭からも分離されます。その割合は世界的には5~20%程度で、国内では 0.4%です。

感染経路は、くしゃみ、せきなどによる飛沫感染で、鼻やのどの粘膜から感染します。

体力が低下している場合や、免疫系の病気がある場合は、気道の粘膜から血液、脳脊髄液に菌が侵入して、重篤な症状を引き起こします

国立感染症研究所の患者発生動向(13年4月~17年10月)によると、発症のピークは、4歳までの乳幼児と15 歳~19 歳、40~70 代前半にみられました。

10 代後半での患者発生が多いのは、学生寮やクラブ活動の合宿など、狭い空間での共同生活により感染リスクが高まることが要因と考えられ ています。

ワクチンについて

髄膜炎菌に対してはワクチンが開発されています。

欧米では、11歳~14歳前後での予防接種が定期化されている国が多く、最大の流行地域であるアフリカでは、21カ国、2億8千万人を超える人々にワクチンが接種されています。

日本では 2015年から、任意で髄膜炎菌に対するワクチンの接種を受けることが可能となりました。

費用は、一部の患者(発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬である「エクリズマブ」の投与対象者)を除いて、全額自己負担です。

対象は2歳以上で、接種可能な医療機関はインターネットで検索することができます。

まとめ

髄膜炎菌による感染症。

怖い病気ではありますが、頻度は多くはありません。

しかし、伝播しやすいうえに、感染すると重篤化する病気なので、

  • 海外に渡航する前
  • 進学に伴って共同生活の機会が多くなる

以上のような場合は、髄膜炎菌の予防接種をぜひ検討してもいいのかもしれません。