今年も残りあとわずか。
12月といえば、忘年会のシーズンですよね。
そして、忘年会の後は年末年始を迎えて新年会へ。
例年、12月から1月にかけて体重が増えたという声をよく聞きます。
今回は、テレビでも紹介された血糖値についてまとめました。
血糖値は、血液中の糖の量のこと。
血糖が高い状態を示す、高血糖。
一般的に1日の間の血糖値の変動幅が、上限の140を超えると高血糖といわれています。
生活習慣病の一つである糖尿病を防ぐために高血糖に気を付けている方も多いのではないでしょうか。
ですが、実はあまり知られていない低血糖の危険性。
心臓や睡眠にまで影響を与える低血糖について、記載していきます。
目次
薬剤師目線:血糖値のミステリー
お酒を飲むと血糖値はさがる??
夜の居酒屋を訪れ、これから宴会をやるという方々の血糖値を、ある程度の時間をおいて2回測定を行った。
その結果、食事前に90だった男性は87と下がった。
138だった男性は96になっていた。
血糖値が下がった人に話を聞くと
- 飲み終わった後のナゾの空腹感
- シメのラーメンが楽しみ
などと話した。
米からできているはずなのに、お酒を飲むと何故か血糖値が下がる。
お酒を飲んだ後にシメが食べたくなる、誰しも一度は経験する原因はこういう理由からだったようです。
お酒で血糖値が下がる!?
普通に食べ物を食べると、
食べ物から糖に分解され肝臓が糖を血液中に流し血糖値が上がります。
↓
アルコールをとると肝臓はアルコールを優先的に分解するので、糖は血液中に送られなくなります。
↓
血糖値が低いと体は栄養不足と認識して空腹感が強くなります。
お酒を飲んだ後はシメが食べたくなる理由は、実はこのような体内の流れでが関係していたのです。
しかし実際には体内でその後、アルコールの分解の後に血糖値は上昇します。
今までは高血糖が注目されていましたが、あまり注目されてなかった低血糖にものすごい落とし穴がありました。
医学界も注目している低血糖のリスク:血管や心臓にも影響が
低血糖は、体に深刻な影響が出ることが最近分かりました。
心臓の病気の中の一つ、狭心症。
狭心症の主な原因の1つは血糖値が高いことです。
最近の研究において、狭心症患者の血糖値の変動を24時間測測定すると、異常がない人と比べると食後の血糖値はすこし高めになることがわかりました。
しかしそれ以上に注目されたのは、1 日に何度も70のラインを下回ってることでした。
これにより低血糖と心臓疾患の関係を裏付ける手がかりに成功したといわれています。
70を下回ってしまう患者の心臓の血管にカメラを入れ血管の内側を移すと、血管の壁が破れていた場所もあったようです。
150人の心臓疾患の患者を調べると4分1もの人に低血糖が起きていました。
血糖値はどこまで下がるのか?
24時間にわたる実験。
午前9時に、朝食を食べた後の血糖値は119でした。
その後、口にして良いのは水だけ。
運動し、温泉に入り、12 時間後測定してみると81になっていました。
夜11時就寝、血糖値は70に近づくもその辺りをうろうろし、絶食して20時間後、血糖値は70を切りました。
次の日の朝、起きて測ると血糖値は74でした。
糖は大事!低血糖になると心臓&脳にまで影響が!
人間の体にとって糖は必要不可欠なエネルギー源です。
そのため血糖値が下がりすぎると、血糖値を戻そうとする仕組みが体に備わっています。
血糖値が70を切ると交感神経が働き、膵臓や肝臓といった様々な臓器がフル稼働し体の中で糖が生み出されます。
しかし交感神経が働くことで血管が縮んだり血液が固まったりします。
低血糖状態が何度も繰り返されると血管がダメージをうけ、心臓では心筋梗塞、脳では認知症など様々な疾患につながる可能性があるといわれています。
実は身近な低血糖:ある習慣が原因に!
健康診断で問題がないと言われた28人が24時間血糖測定器をつけて1週間生活してもらうと、
28人中5人が低血糖になっていたタイミングがあったとのこと。
血糖値の下がり過ぎを指摘された人たちの暮らしぶりを見てみると、
- 一人は夜9時、仕事帰りに中華料理店でチャーハンとラーメンを食べた。
- 別の一人は仕事が終わり夜9時に冷凍うどんと揚げ物を食べた。
低血糖になった人に共通していた週間は、遅い時間にがっつりご飯を食べていたことでした。
心臓と脳を脅かす血糖値:原因は遅い時間のドカ食い
食事間隔が長いと空腹感が強くなり、一度にたくさんの食事をとる
どか食い
の原因になるといわれています。
さきほどの場合は、炭水化物と脂質中心のドカ食いが問題だったとのこと。
炭水化物を食べると血糖値は急激にあがります。
その反動で血糖値がだんだん下がってくるということ。
夜中に起こる低血糖に気づくためのサイン
夜8時45分過ぎに、餃子セットをたっぷり食事。
↓
夜12時に就寝。
↓
夜1時過ぎ血糖値が低下し目が覚めた。
基本的に人間は、寝るときは副交感神経が働きます。
しかし今回の場合は、その時には交感神経が働いていた。
その結果、体が緊張モードになり睡眠が妨げられたというもの。
血糖値が下がりすぎていた方は、ほとんどの人が夜中に目が覚めることが多い傾向にありました。
低血糖の症状のチェックポイント
- 夜睡眠の途中で目が覚めてしまう。
- 食事の間隔が長く夜 遅い時間にガッツリ食べる習慣がある。
この 2 つが当てはまる人は低血糖がおきているかもしれません。
低血糖を予防するための対策
リスクのある低血糖を予防するには、間食が重要です。
低血糖が見つかった人に、夕食が遅くなりそうな時には前もって軽くおにぎりを1個食べてもらう。
そのような生活をおくって1 週間経過し血糖値を測ると、70を下回ることはなかったというもの。
低血糖の予防のためには、実は間食を止めない事が大切のようです。
しかし間食するにあたり注意点があります。低
血糖になりやすいのは長い空腹時間後の「どか食い」です。
晩御飯が遅くなりそうな日は小腹が空いた時におにぎり1つくらいの間食がおすすめです。
間食した日の晩御飯は控えめにすることもお忘れなく。
また、早めの時間に炭水化物を取る方法は分食といい、 糖尿病患者の食事法の1つでもあります。
他にも野菜を先に食べると血糖値の上がり方を緩やかにしてくれる。
や
オクラや納豆などのネバネバ系も血糖値が上がりにくいといわれています。
いろいろな方法があるので、ご自身にあった方法を選択することが重要です。
まとめ
意外と知られていない、低血糖のリスクについて紹介しました。
食べ物もおいしく、何かと外食の機会や食べる量そのものが増える12月と1月。
血糖値に関する正しい知識を理解して、病気を予防しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。