重大な副作用、副反応として添付文書追記


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医薬品を使用する上で重要な添付文書。

これは言わば薬の説明書のようなもの。

よくゲーム機やおもちゃにも説明書がついてきますが、医薬品に関しては添付文書に載っている情報はとても重要です。

今回は薬剤師っぽく、最近添付文書が改訂された医薬品について記載していきます。

重大な副作用に追記を指示、添付文書改訂

ゼルヤンツ錠の重大な副作用に静脈血栓塞栓症が追加

厚生労働省医薬・生活衛生局は8月22日に新たな重大な副作用などが判明した医療用医薬品の添付文書を改訂するよう、日本製薬団体連合会に医薬安全対策課長通知で指示しました。

ファイザーのJAK阻害薬ゼルヤンツ錠(一般名:トファシチニブクエン酸塩)では、添付文書の重大な副作用に静脈血栓塞栓症を追記しました。

心血管系事象のリスク因子を有する患者にこの薬を投与する時に静脈血栓塞栓症が現れるおそれがあるというもの。

そのような患者には、他の治療法も考慮するよう求める内容にするようです。

今回の改訂の背景にあるものは、心血管系事象のリスク因子を有する50歳以上の関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)です。

TNF阻害薬群と比較して、ゼルヤンツ10mg1日2回群で肺塞栓症及び死亡リスクが高い傾向が指摘されました。

これを踏まえて、今回の改訂になりました。

また、ゼルヤンツ以外にも重要な副作用の部分が改訂になった薬剤があります。

ゼルヤンツ含め、今回改訂となった薬のまとめです。

トファシチニブクエン酸塩(製品名:ゼルヤンツ錠)

重大な副作用に、静脈血栓塞栓症が追記されました。

また効能又は効果に関する注意に、心血管系事象のリスク因子を有する患者に本剤を投与する際に、他の治療法を考慮するような内容を効能共通で追記されました。

さらに特定の背景を有する患者に関する注意に、心血管系事象のリスク因子を有する患者の項が新たに設けられました。

そして、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現に関する注意及び他の治療法を考慮し、特に10 mg1日2回投与の必要性については慎重に判断する旨などが追記となったようです。

実際ゼルヤンツの使用した上での報告では、直近3年間の静脈血栓塞栓症関連症例は6例(死亡1例)でした。

その中で、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例は0例。

医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例は0例でした。

ドパミン受容体作動薬の重要な基本的注意に薬剤離脱症候群が追記

薬剤としては、たくさんあります。

  • ロピニロール塩酸塩
  • プラミペキソール塩酸塩水和物
  • タリペキソール塩酸塩
  • ロチゴチン
  • カベルゴリン
  • ブロモクリプチンメシル酸塩
  • ペルゴリドメシル酸塩
  • アポモルヒネ塩酸塩水和物

これらの薬剤の重要な基本的注意に、急激な減量または中止により薬剤離脱症候群が現れることがあることが追記されました。

また、その他の副作用に薬剤離脱症候群が追記。

異常が認められた場合は投与再開または減量前の投与量に戻すなど適切な処置を行うことと記載されています。

ちなみに直近3年間の薬剤離脱症候群の国内報告数はありません。

改訂となった理由です。

国内と海外の症例が集積したことと、ドパミン受容体作動薬における薬剤離脱症候群の想定されている機序を踏まえた結果、ドパミン受容体作動薬全体で薬剤離脱症候群について注意喚起を行うことが適切との考えに至ったようです。

カベルゴリン(製品名:カバサール錠など)の基本的注意も改訂

カバサール錠などの商品名で販売されている、パーキンソン病治療薬のカベルゴリン。

この薬剤に関しては、重要な基本的注意にトルコ鞍外に進展する高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者に対する髄液鼻漏に関する注意喚起についての記載が追記されました。

カベルゴリン服用中の高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者に視野障害などの異常が認められた場合は、減量や中止などの適切な処置を行う必要があるというもの。

ここは薬剤師の腕の見せ所かもしれません。

さらに慎重投与の部分に下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害などの著明な高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者に改められました。

ちなみに直近3年間の国内報告数は以下の通りです。

髄液鼻漏関連症例3例(死亡0例)であり、医薬品との因果関係が否定できない症例は3例。

視野障害の再発関連症例2例(死亡0例)であり、医薬品との因果関係が否定できない症例は1例です。

BCGワクチンの副反応に髄膜炎を追記

子を持つ親であれば経験のあるBCGワクチン。

この薬剤に関しても重大な副作用に追記がありました。

添付文書の重大な副反応の部分に全身播種性BCG感染症及び骨炎、骨髄炎、骨膜炎がBCG感染症と改められ、さらに髄膜炎があらわれることが追記されました。

ちなみに、直近3年間の国内報告数は結核性髄膜炎が1例(死亡0例)であり、医薬品との因果関係が否定できない症例は1例でした。

改訂とはなり髄膜炎は怖い感染症の一つではありますが、だからといってワクチンを接種しないというような誤った判断にならないように注意が必要です。

薬剤師としても正しい情報発信が大事ですね。


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ABOUTこの記事をかいた人

薬学部卒業後、そのまま大学院へ。 医療薬学を学び、患者さんのために最新の医療を実践するために病院薬剤師へ。 薬剤師で医学博士。 ここでは患者さんからの質問を調べつつ、役立つ情報を発信していければと思います。 専門は感染制御や救急、小児。お問い合わせもお気軽にどうぞ!!