病気の予防として、重要なワクチン接種
ワクチン自体は20を超えるものが日本でも使えますが、定期接種となっているものはごく僅かです。
先進国の中でもワクチンに関しては日本は遅れていて、海外では国が費用を補助して当たり前に行えているワクチン接種が、少ししかできません。
これをワクチンギャップといいます。
それでも少しずつ日本でも定期接種のワクチンが増えてきています。
最近ではB型肝炎ワクチンが定期接種になりました。
そして、今度はロタワクチンが定期接種に向けて動き出したようです。
ロタワクチン定期接種化に向けて
厚労省は費用対効果を理由に、ロタワクチンの値下げを進める方針を示しました。
厚生科学審議会予防接種基本方針部会の中にあるワクチン評価に関する小委員会で、ロタウイルスワクチンの定期接種化に向けて、製薬企業のグラクソ・スミスクラインとMSDに希望小売価格の値下げを打診する方針を示しました。
ロタワクチンをお子さんに接種した方は分かると思いますが、ロタリックスやロタテックで接種の回数は違うものの、合計で約3万円弱かかります。
ちなみにロタワクチンは経口ワクチンであるため、赤ちゃんが泣いて吐き出したなんてことがあると言葉も出ません。。
私自身もなんとか飲み込んでくれと、子供を見つめていた記憶があります。
ロタワクチンの値下げ
この委員会での取りまとめでは、ロタウイルスワクチンの接種には現時点で約3万円が必要ですが、少なくとも4000円程度低下すれば費用対効果がよくなると指摘しました。
予防接種法の対象に加えて公費を使った定期接種にするには、リスクとベネフィットの観点からは問題ないという現状はありますが、費用対効果の観点では今のままでは課題があるとの考えです。
反ワクチンの方にもここは強調したいところです。
リスクとベネフィットでは問題ない!
今回の厚労省の示した考えに対して、企業がどの程度対応可能かの見解を問う文書が近日中に送られる予定です。
製薬企業には柔軟な対応を期待したいです。
ロタワクチン:ロタリックスとロタテック
今日本で発売されているロタワクチンは、ロタリックス(1万800円、2回接種)とのロタテック(6152円、3回接種)の2種類です。
それぞれ1回あたり約3930円の接種費用がかかるとされているため、窓口の負担としてはどちらのワクチンでも総額3万円程度となります。
今回のような値下げの打診は過去にもありました。
2012年に不活化ポリオワクチンであるイモバックスの値下げをサノフィに依頼したことがあります。
このときは海外との価格差の大きさを理由とした値下げの打診でしたが、サノフィは限定的な需要などを理由に値下げに応じませんでした。
今回は、ぜひとも企業には応じてもらいたいところです。
今後は、8月に開かれる予防接種基本方針部会に今回の取りまとめが報告される予定です。
値下げに対する企業の見解も返答され次第この部会に報告され、最終的に定期接種化するかどうかが議論されます。
まだまだ時間はかかりますが、なんとか定期接種になってほしいものです。
コメントを残す