登校(登園)許可症の必要性:感染症後に


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これは実体験に基づいて感じた疑問です。

感染症後に求められる登校許可証の謎

私の娘もインフルエンザにかかりました。
そして、体調がよくなっていざ保育園に通園できるとなったときに保育園から。。

「医師に登園許可書にサインをもらってきて登園時に提出してください」

とのことでした。

ちなみに学校保健法では、インフルエンザにかかった後の登園の可能時期について以下のような記載があります。

「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」

法律で定められている内容はこれだけです。

要するに登園許可証の必要性は言われていません
そのため、厳密には登園許可証がなくても登園はできるわけですが保育園に預かってもらっている以上なかなか保育園の方針を拒否することもできず、体調がよくなった娘を連れて登園許可書をもらいに行きました。

インフルエンザや手足口病が流行:学校保健法の出席停止

インフルエンザと聞くと冬の感染症のイメージがつよいですが、6月の段階でもインフルエンザの感染は報告されていて、さらに最近では手足口病の流行が言われています。

うちの娘もなったインフルエンザ。

娘の場合は冬でしたが、発熱を伴う体調不良で元気もなくひたすら寝ていました。

インフルエンザは飛沫感染で感染が広がる危険性があるため学校保健法の出席停止として定められています。

出席停止は、学校保健安全法第19条で定められています。

出席停止
校長は感染症にかかっており、かか っている疑いがあり又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、 出席を停止させることができる

出席を停止させることができるのは医師ではなくて校長(園長)です。

要するに許可証を発行すべきなのは校長または延長のはずですが、なぜ医師が許可証を発行する必要があるのかというと謎。

出席停止の解除に自信のない校長が医療機関を頼っているうち に、なんとなく慣習化したのでしょうか。

出席停止解除の基準の明文化

出席停止解除の基準はきちんと明文化されています。

この判断基準が、非医師が判定できないようなものだった場合い医師の判断を仰いだらいいのではないでしょうか。

先ほどのインフルエンザの記載

インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)にあつては、発 症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで。

これであれば家で保護者が判断できますし、それを基に学校長や園長が出席停止解除の判断をすることも可能なのではないかと思います。

ただ、判断困難なものも確かにあり、そういった難しい疾患には以下のように出席停止日数の 基準を定めているものもあります。

結核、髄膜炎菌性髄膜炎及び第三種の感染症にかかつた者については、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。

このような疾患は、記載のある通りに医師の判断をしっかり仰ぐよう校長から指示をしなくてはならないと思います。

しかし、そうでない感染症まで登校許可証を医師に求める必要は、ないのではないでしょうか。

なぜなら医師の登校可能であるとする判断基準と、感染症法に記載されている登校可能であるとする判断基準大差がないからです。

医師に許可を求める理由

登校許可証を医師に求める理由として、「感染症を隠して通学してくる人がいるかもしれないから、 きちんと医療機関で通学していいかどうかを判断してもらうべきだ」というような意見があることも事実です。

しかしながら、医師も嘘を付かれたらどうしようもありません。

医師の診察の際には必ずカルテを記載しますが、それは患者や患者の保護者の問診をもとに記載されます。

医師もたくさんの患者を診る中で、一人の患児の解熱が何日前だったかは保護者の情報以外には知りようがありません。

他の医療機関で診断されていたら、発症したタイミングを知るのはますます難しくなります。

その医療機関にこちらが連絡すれば分かるかもしれませんが、他院に個人情報を電話などで問い合わせるのは個人情報保護が重視されている現代ではかなり困難です。

治癒証明などを発行する際は、保護者の情報から判断することになるので、嘘をつかれたらそれ以上のことは知ることはできません。

また、救急外来や休日診療所などでインフルエンザの診断を受けた人が、症状改善後にかかりつけ医を受診しても、かかりつけ医も自信を持って登校許可証を発行できません。

行政の態度

登校許可証について、行政の対応も様々でありある自治体のウェブサイトにはこんな記載があります。

感染症に罹って、医師からの出席停止の指示をうけた場合は、登園する際「学校感染症に係る登園 に関する意見書」が必要です。

受診料や意見書代など、お金がかかることを強制するのであれば、それなりの法的根拠が必要です。

市内の医師会には協力を仰いでいるようですが、医師の診断の時間を割いてもらい意見書にサインをもらう。

診療のプロの意見を伺うのに行政からはタダでお願いするというのも腑に落ちません。

さらに患者のことを考えるなら、健康な状態にも関わらず外来で待つことを強要するのは健康管理上よくないと思われます。

一つの感染症がよくなっても、別の何らかの感染症をもらったのでは本も子もありません。

これだけ法的な根拠はなく、おかしなことでも現時点ではいろいろな園や学校でほぼ義務のように提出が求められている、治癒証明書。

医師にも患者にも負担となるこの証明書。

いったい誰のための証明書なのでしょうか。


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ABOUTこの記事をかいた人

薬学部卒業後、そのまま大学院へ。 医療薬学を学び、患者さんのために最新の医療を実践するために病院薬剤師へ。 薬剤師で医学博士。 ここでは患者さんからの質問を調べつつ、役立つ情報を発信していければと思います。 専門は感染制御や救急、小児。お問い合わせもお気軽にどうぞ!!