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食べ過ぎた次の日は体調だけでなく見た目にも悪影響!?
食べ過ぎは健康に良くない。
腹八分目にしておいたほうがいい。
などど言う言葉は、大半の方が聞いたことがあるのではないでしょうか。
では、食べ過ぎが実は老化につながる。または関係あると聞いたことはありますか?
実は「腹八分目」は化学的に正しく、立証された内容だったのです。
食べ過ぎの影響、リセットはできない
昔から「腹八分目にしておけば、医者いらず」と言われています。
その通り、
これには環境の変化も、大きく関係しています。
いつでも食べられるこの時代。
空腹を感じる機会も減り、何か食べたくなったら 24 時間営業のファストフード店やコンビニエンスストアに行けばすぐに食べ物や飲み物が手に入るようになりました。
お手ごろな食べ放題コースがあるレストラン、ホテルのビュッフェなどであれば、
むしろ、食べ放題やブッフェではたくさん食べた方が得!!と思って、普段よりも過食になる傾向は多いのではないでしょうか。
今から 50 年ほど前に広がり始めたこのような食環境は、
ここで質問です
皆さんは「ああ、お腹が空いてぺこぺこだ」
会社や病院などの職場では業務のために割く仕事時間が長くなり、
かつて人間は空腹を合図に生き延びるために頭を使っていました。
人類の誕生以来、そうこのつい最近まで、
空腹になったときに体をどう調整するかということに関して、
食べ過ぎは禁物:気持ち悪くならないように
お腹が減るというのは、
お腹がグーッと鳴る音は、腸が蠕動運動を始めたしるし。
消化吸収が終わり、
そのため、「モチリン」というホルモンが働いて、
グレリンは空腹だという信号を脳に届けつつ、短期記憶を担う大脳の海馬に、
「どうやって前の食事を得たか思い出して、行動を起こせ! さもないとこのままでは先がないかもしれない」
空腹を合図にして、生き延びるために頭を使うこと──
空腹時間がある程度続くと、
さらに、長寿遺伝子と呼ばれる遺伝子群を活性化させて、
食べ過ぎの腹痛は下痢だけでなく、便秘の原因にも
最近問題となっている生活習慣病。
飽食への時代変化に対応できない 人間の体の悲鳴が生活習慣病として表れているのかもしれない?
私たちの細胞は常に活動を行っていますが、
これらの修復作業が活発になるのも空腹のとき。オートファジー(自食作用)機能が活性化することにより、
これは 2016 年にノーベル生理学・
一方、日本人が「お腹が減ってもいないのに食事をする」
そのため、空腹を感じていないのに次の食事を食べてしまったら、
このような、心身の声と唱和しない食行動が排泄障害、
飽食に対応ができていない体の困惑と悲鳴が、肥満や 2 型糖尿病、脂質異常症、高血圧とい った生活習慣病につながっているといっても過言ではないかもしれません。
食べ過ぎによって腹痛や下痢だけでなく、老化が進行し寿命も縮む
実際にサルを用いて検証した研究があります。
老化に関連する病気の発症率を検討したもので、カロリー制限で老化関連死が減少したとのこと。
カロリーを制限すると、過食による老化が穏やかになり、
人間では実施が難しい試験ではありますが、1980 年代後半に、米国の 2 つの施設で行われました。
- 食べたい量の食事を食べられるアカゲザル と、
- カロリー制限をした食事で生活するアカゲザル
の健康状態や寿命を比較調査する研究。
2 つの施設とは、 米国立老化研究所(NIA)と米ウィスコンシン大学。
平均寿命約 27年のアカゲザル(以下サル)を、30 年以上にわたって観察し続けるという、気の遠くなるような研究です。 NIA でもウィスコンシン大でも、カロリー制限群のサルの食事では、好きに食 べられる(自由摂食)サルたちの食事に比 べ、約3割のカロリーカットをした。
人間として考えたら、1日で3割カットですから「腹七分目」くらいでしょうか。
しかし、自由摂食とはいっても、サルたち の食事は、2 つの施設では内容が違いました。
NIA では、ほぼ好きに食べてもいい量で、過食にならない程度には抑えられ、しかも 大豆や魚といったいわゆる“健康によい食材”も入った 食事でした。
一方、ウィスコンシン大のサルは、本当の“食べ放題”で、砂糖を多く与えられるなど、栄養組成もあまりよくありませんでした。
いわば、
現代の人間の食事と似ている部分は多いかもしれません。
観察の結果
さて、興味のある観察の結果ですが。
ウィスコンシン大のカロリー制限サルでは、
その後、
実際に公開された研究後のサルの写真を比較すると、
カロリー過多で栄養バランスが悪い食事をしたサルたちは、
この結果は、 過食による老化の進行は見た目にまで表れるとして話題を呼びました。
食べ過ぎるのではなく、腹八分目が一番健康的
いかがでしたでしょうか。
ちょっと難しい内容もありましたが、実際の研究からも過食は老化に関係するのではないかという結論となりました。
貝原益軒が『養生訓』に記した
「食事は腹七、八分でやめること。
という考え方は、まさにまとを射ていました。
先人がどのようにその結論を導き出したかは興味のあるところですが、300 年の時を経て、
詳細などもっと興味のある方は、こちらの書籍をご参照ください。