薬剤師目線:髄膜炎菌について
2017年の夏、ある大学の学生寮に入っていた10代の学生が髄膜炎菌に感染して、亡くなりました。
国内ではまれな病気ですので、原因菌もあまり聞き慣れない名前だと思います。
しかし、この髄膜炎菌によって引き起こされる侵襲性髄膜炎菌感染症は、
今回は、その髄膜炎菌とワクチンの必要性についてです。
ワクチンに関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
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潜伏期間と初期症状
平均的な潜伏期間は4日間。
初期症状は発熱、頭痛、
一方で、症状の進行は非常に速く、発症から半日ほどで、
髄膜炎
髄膜炎になると、不機嫌で感情が高ぶった状態から、
また、首の後ろ部分である項部の硬直がみられます場合もあります。
風邪症状にプラスしてこの症状があったら、注意が必要かもしれません。
その後、菌血症の進行によ り、血圧低下、副腎出血、多臓器不全(敗血症)
治療
治療としては、
抗生物質による治療の効果が出れば、2 週間前後で髄膜炎症状は軽くなります。
しかし早期から、高熱、けいれん、意識障害、血圧低下、
このような経過から、発熱、せき、鼻水などの風邪症状に加えて、
日本の現状
日本国内での最近の侵襲性髄膜炎菌感染症の患者発生は、
2013年 23 人
▽14 年 37 人
▽15 年 34 人
▽16 年 43 人
▽17 年 23 人
となっています。
死亡率は 15%と非常に高く、救命されても脳障害や難聴、身体障害などの後遺症が残ることがあります。
病原体である髄膜炎菌は、
感染経路は、くしゃみ、
体力が低下している場合や、免疫系の病気がある場合は、
国立感染症研究所の患者発生動向(13年4月~17年10月)によると、発症のピークは、4歳までの乳幼児と15 歳~19 歳、40~70 代前半にみられました。
10 代後半での患者発生が多いのは、学生寮やクラブ活動の合宿など、
ワクチンについて
髄膜炎菌に対してはワクチンが開発されています。
欧米では、11歳~14歳前後での予防接種が定期化されている国が多く、最大の流行地域であるアフリカでは、
日本では 2015年から、
費用は、一部の患者(
対象は2歳以上で、接種可能な医療機関はインターネットで検索することができます。
まとめ
髄膜炎菌による感染症。
怖い病気ではありますが、頻度は多くはありません。
しかし、伝播しやすいうえに、
- 海外に渡航する前
- 進学に伴って共同生活の機会が多くなる
以上のような場合は、