リンゴ病の症状:大人もかかる、流行を危険視


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春になり、新年度を迎えた中いまだにインフルエンザの流行が指摘されています。

しかし、その陰でひそかに流行しているリンゴ病。

大人にもかかるリンゴ病の症状や特徴についてまとめました。

通称、リンゴ病。

正式な名前を伝染性紅斑といいます。

2018年10月以降、首都圏や東北を中心に患者数が急増しています。

リンゴ病については、下記の記事でもまとめていますのでご参照ください。

子供の頬の発赤:リンゴ病の流行に注意が必要

2019年1月9日

昨年には、伝染性紅斑の患者数が都の警報基準を超えたとして、流行に対する注意喚起が発令されました。

 

2019年に入っても、小児科定点医療機関約3000カ所からの患者報告数(1 月中旬ごろ)が、過去10年の同時期と比較して最多となりました。

両側のほほが真っ赤になり、まるでリンゴのように見えることからリンゴ病とも言われているこの疾患。

子供の病気であって、大人はならないのでは? と思ってはいませんか?

答えとしては、そんなことはありません

幼少期にかかったことがなければ、大人になってからも罹患することがあるこの疾患。

実は私も大人になってから、両ほほが真っ赤になりリンゴ病だとわか事例もあります。

リンゴ病は春から夏にかけて、そして4~5年周期で流行がみられるのが特徴です。

警報レベルを超えている地域も

国立感染症研究所の報告によると、第52週(2018年12月24日から30日)の全国の患者報告数は2168人。

定点報告数(1 医療機関当たりの平均患者報告数)は0.7人でした。

過去10年で最も流行した2015年の第52週の定点報告数は0.83人ですので、その時にほぼ匹敵する流行が起きているということです。

都道府県別にみてみると、東京都(382人)が最も患者数が多く、ついで、宮城県(269人)、神奈川県(219人)と続いています。

東京都や宮城県、新潟県や山形県などでは警報レベルを超え、自治体ごとに注意喚起がなされています。

伝染性紅斑(リンゴ病)の原因と症状

伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。

咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛沫感染が主な感染経路です。

感染から5日から10日を経て、発熱、鼻づまり、頭痛、吐き気、下痢などの症状が現れます。

こうしたインフルエンザに似た症状は、5日間ほど続きます。

その後頬に紅斑が現れ、数日後には体幹や四肢にも紅斑が出現します。

頬のリンゴのような紅斑は1日から4日で消失し、体幹や四肢の紅斑も1週間程度であとを残さず消えてしまいます。

また、発疹の有無に関わらず、手や手首、膝や足などに関節痛や関節炎といった関節症状も出現します。

子供よりも成人に、そして女性でより多くみられることが特徴です。

インフルエンザに似た症状

両ほほや体幹・四肢の紅斑は小児ではよく見られますが、成人の場合、典型的な発疹を示さないこともあります。

そのため、風疹と診断されているケースは、小児よりも成人に多い可能性があることが指摘されています。

風疹のような発疹や関節痛・関節炎をきたした627名の抗体を調査したところ、229例で風疹の感染、43例でヒトパルボウイルスB19の感染、7 例で麻疹の感染を確認したという報告があります。

このことからも、診断が難しいケースが多いことがわかります。

麻疹や風疹については、下記の記事もご参照ください。

はしか(麻疹)が全国で拡大中:ワクチン接種が重要

2019年3月6日

大流行中の風疹:ワクチンは実は供給不足になる計算:早期のワクチン接種が必要です。

2019年2月17日

リンゴ病の注意点

リンゴ病で注意が必要なことは、両ほほの紅斑など目に見えて症状があらわれる頃には、ウイルスの感染力はすでに失われていることです。

実は、発熱、鼻づまり、頭痛、吐き気、下痢など、インフルエンザに似た症状の時が、最も感染力を持っている期間であり、気がつかないうちにほかの人にうつしてしまっている、ということがよくあります。

しかし、色々な疾患の情報源として有名なUpToDateによると、感染した人の約25 パーセントは無症状と言われています。

約50 パーセントは倦怠感、筋肉痛、そして発熱といったインフルエンザ様の症状しかなく、残りの 25 パーセントで、紅斑や関節痛がみられるとのこと。

感染していても、よくわらないうちに元気になったというケースも少なくないのです

実は、風疹の異型と認識されていた伝染性紅斑。

1975 年、CossartらによってヒトパルボウイルスB19が発見され、独立した疾患であることが確立されました。

妊婦感染は胎児貧血や流産の可能性も

パルボウイルスB19感染症には予防のためのワクチンはなく、特別な治療もありません自然に治癒する疾患です。

しかし、妊婦さんや免疫不全、溶血性貧血の方は注意が必要です。

日本人の妊婦さんの抗体保有率は、20~50%ほど。

妊婦さんが感染すると、流産、子宮内胎児死亡、胎児水腫や胎児貧血など、胎児の合併症を引き起こす可能性があるので、近しい人がリンゴ病になったら、一度医療機関に相談してみることをおすすめします。

手洗いなどで予防することが大切

1992年にロンドンの病院でパルボウイルスB19感染が発生した際、患者との接触後に手洗いを徹底しなかった職員の間でパルボウイルスB19感染の危険性が高まったことを示唆していたことを報告する論文もあります。

手洗いうがいや飲食を共有しないことが予防の上で大切です。

リンゴ病に限らず、手指衛生は感染対策の上でとても重要です。

時期は違いますが、感染対策として良ければ以下の記事もご参照ください。

冬の感染症対策:インフルエンザ、ノロウイルス~医療・介護施設から家庭まで~

2018年12月20日

幼少期にリンゴ病にかかったことがない、記憶がない方は頭の片隅に覚えておくといいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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ABOUTこの記事をかいた人

薬学部卒業後、そのまま大学院へ。 医療薬学を学び、患者さんのために最新の医療を実践するために病院薬剤師へ。 薬剤師で医学博士。 ここでは患者さんからの質問を調べつつ、役立つ情報を発信していければと思います。 専門は感染制御や救急、小児。お問い合わせもお気軽にどうぞ!!