子供の頬の発赤:リンゴ病の流行に注意が必要


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テレビなどでも取り上げられたリンゴ病

正式には伝染性紅斑といいます。

子供のほっぺたが赤い写真が印象的ですが、原因はパルボウイルスというもの。

そしてこの病気の一番気を付けなければいけない点は、ほっぺたが赤くなった時点ではすでに感染力はほとんどないということです。

以前にご紹介した不顕性感染。

子供(小児)の感染症の流行:不顕性感染に注意が必要

2019年1月7日

これとは違いますが、症状が出る前が一番感染力が強いという意味では同じく注意が必要です。

さらに注意が必要なのは、妊婦さんです。

妊娠中のリンゴ病に対する抗体の保有率は20~50%程度といわれていて、妊娠中に初めて感染すると胎児に貧血や胎児水腫という思い症状をきたすことがあります。

薬剤師目線:伝染性紅斑(リンゴ病)について

先ほども記載しましたがリンゴ病とは俗称で、医学的には伝染性紅斑と言います。

紅斑というのは、皮膚が赤くなること。

伝染性とは、うつること。

感染症により、両方のほっぺたが真っ赤っかになるので、伝染性紅斑という病名になっていますが、頬(ほっぺ)がリンゴのように赤いから、リンゴ病といわれています。

伝染性紅斑(リンゴ病)の病原体

感染症であるので原因となる病原体がいます。

名前はパルボウイルスB19といいます。

この数字に意味はなく、パルボウイルスB19だけが人に病気を起こすパルボウイルスです。

B19という記号と数字は実験で使っていたサンプルの名前で、パネルBの19番目のサンプルから見つかったため、このような名前になりました。

発見されたのは1974年。詳細はこちらをご参照ください。

伝染性紅斑(リンゴ病)に子供がかかった場合

子供は比較的かかりやすいといわれていますが、多くは自然に治ります。

リンゴ病の好発年齢は4歳や5歳であり、幼稚園児から学童によく発症するといわれています。

風邪っぽい症状とともにほっぺたが真っ赤っかになることが特徴です。。

多くの場合は自然に治る軽い病気で済んでしまうことがほとんどです。

実際、パルボウイルスに対する効果的なワクチンはありません。

相手がウイルスなので、抗菌薬も効きませんし現時点では、治療薬もありません。

ほっぺが赤くなる前が感染期間で、赤いほっぺのときは他人に感染することもありません。

学校保健安全法では登校基準はありますが、ほっぺが赤くなってリンゴ病と分かったときはもう感染性はなくなっていて学校を休む必要もないので、事実上、学校保健安全法を心配する必要はありません。

ただし、この感染症は大人にも起きることがあります。

特に女性で症状がはっきりすることが多く、特徴は体のあちこちが痛くなる関節痛と、関節が腫れ上がる関節炎です。

皮膚のほうは大人でははっきりしない薄い赤みが体のいたるところに見られます。

伝染性紅斑(リンゴ病)に大人がかかった場合

高齢の女性に多い病気に、巨細胞性動脈炎という病気があります。

側頭動脈炎とも呼ばれ、熱やか頭痛などの体が痛む病気です。

これは感染症ではなく自己免疫疾患(自分の免疫機能が自分を攻撃する病気)ですが、大人で起きるパルボウイルスB19感染の症状は、この巨細胞性動脈炎の症状によく似ていることがあります。

また、このウイルス感染で、時にものすごい貧血が起きることがあります。

血液の中の赤血球が少なくなるのが貧血です。

貧血がひどくなると酸素を運ぶことができなくなり、呼吸が苦しくなります。
それに伴って心臓が普段以上に頑張って働いて少ない酸素を運ぼうと頑張るので、心不全になることもあります。

伝染性紅斑(リンゴ病)に妊婦さんがかかった場合

この病気に妊婦さんがかかり貧血を起こすと、お腹のなかの胎児の酸素が足りなくなり、胎児が心不全になったり死亡したりするリスクがあります。

冒頭でも記載しましたが、現時点では治療法も予防法も存在しません。

しかし、早期診断をして貧血の治療(輸血など)をすれば妊婦さんや胎児の生命を守ることも可能です。

妊婦さんというのは本当に感染症対策が難しく、妊娠中にかからないほうがよい感染症が他にもたくさんります。

早期診断が重要です。

まとめ

以前の不顕性感染の記事では、大人は大丈夫だが子供にかかるとよくない疾患を取り上げました。

今回は、その逆です。

子供の場合は重症化せず、大人。特に妊婦さんには危険な伝染性紅斑

インフルエンザやノロウイルスだけでなく、リンゴ病も流行しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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ABOUTこの記事をかいた人

薬学部卒業後、そのまま大学院へ。 医療薬学を学び、患者さんのために最新の医療を実践するために病院薬剤師へ。 薬剤師で医学博士。 ここでは患者さんからの質問を調べつつ、役立つ情報を発信していければと思います。 専門は感染制御や救急、小児。お問い合わせもお気軽にどうぞ!!