水痘と帯状疱疹。原因ウイルスは同じ。今はワクチンもあります。


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水痘や帯状疱疹。

名前はよく聞いたことがあると思います。

実は二つとも、名前は違いますが原因となるウイルスは同じ。

その名も、

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZVと略します)

です。

そのまんまなのですが、正式な名前です。

今回は、VZVの危険性や予防法について記載していきます。

他のウイルスが原因の感染症は下記の記事も参考にしてみてください。

風邪や疲れが原因で繰り返す単純ヘルペスウイルス:抗ウイルス薬が有効です

2018年12月28日

感染症の予防と治療~アデノウイルス感染症~

2018年11月17日

薬剤師目線:水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)について

一般的に、水痘はこれまで免疫のなかった人が初めて VZV に感染して発症したものです。ワクチンが普及し
ていなかった世代ではほとんどの人が幼少時に発症したことがあるのではないでしょうか。

実はこのウイルスは、空気中で浮遊する状態でも病原性を有しているため、患者のしぶきなどから空気感染(同じ空間にいるだけで感染)することもあります。

また、患者から離れたところにいる人にも感染します。
さらには、病変部の水ぶくれの中の液からも接触感染(触れることで感染)します。

感染してから発症するまでの潜伏期間は約2週間です。

主な症状

水痘の主な症状は発疹と発熱です。

発疹は数日以内にほぼ全身に出現します。
頭皮や、口の中などの粘膜にも出ることもあります。

発疹は時間経過とともに、形を変えていきます。

3~5ミリ程度の赤みを帯びた盛り上がり(丘疹)

水ぶくれ(水疱)

うみがたまった状態(膿疱)

かさぶた(痂皮)

へと変化していきます。

診断と治療

診断については、典型的なものは発疹のみでほぼ可能です。

発疹は新しい丘疹から古くなった痂皮まで同時にみられることが特徴です。
治癒の判定は、全ての発疹がかさぶたになった時点です。

通常、発症から1週間程度で治癒に至りますが、発症している間、微熱程度は出ることが多いです。

水痘は症状を軽減する効果のある、抗ウイルス薬もありますが、治療しなくても自然に軽快することがほとんどです。

また、発症後2~3日以内に開始しないと抗ウイルス薬の効果が期待できません

発症したら早めにかかりつけ医を受診して、治療する必要性があるかどうかを相談して下さい。

以前にワクチンを接種したことがあっても油断は禁物です。

特に1回のみの場合には再度ウイルスに感染して、軽い症状が出ることがあります。

注意点

水痘は学校保険法で、発症している間は出席停止扱いになります。

合併症としては、発疹部での細菌による二次感染が多く、気管支炎、肺炎を起こすこともあります。

まれに中枢神経合併症として髄膜炎や脳炎が起こることがあり、その場合は頭痛、嘔吐、体がふらふらする、といった症状が現れます。

新生児、成人、妊婦、免疫抑制状態にある人がかかると、より重症化するリスクが高く、注意が必要です。

水痘にかかっている最中にアスピリンなどの特定の解熱鎮痛剤を使用すると、急性脳症・肝障害
を起こすライ症候群になるリスクが高くなることが知られています。

川崎病などで、アスピリンを服用中の場合は医師または薬剤師に相談しましょう。

また、水痘になった時の解熱鎮痛剤使用についても、必ず医師・薬剤師の指示に従って下さい。

予防法

水痘にかかったことのない人が水痘に接触した場合、72 時間以内にワクチンを接種することで、発病の回避あるいは軽症化を試みるという方法もあります。

免疫不全状態の人が感染者に接触、あるいは発症してしまった場合については、対策について早急に主治医とご相談が必要です。

2014 年10月1日から水痘ワクチンも任意接種から定期接種に変更されました。

2回接種で、1回目の接種は生後12カ月から可能です。
2回目の接種は、標準で1回目の接種後6カ月~12カ月経過した後に行います。

子供の予防接種の詳細は、予防接種スケジュールをご参照ください。

ワクチンの普及により、今後水痘患者数の減少が期待されています。

帯状疱疹

VZV は水痘が治った後も私たちの末梢神経の奥深くにある感覚神経節に潜伏しています。

通常は免疫機構により発症が抑え込まれていますが、ストレス、疲労、病気などの免疫力低下をもたらす原因があると、一部の神経節から、その神経を通じてつながっている皮膚の表面に出てくることがあります。

これが帯状疱疹です。

水痘に罹ったことがない人が帯状疱疹に触れた場合は水痘を発症します。

帯状疱疹は治った後もその場所に神経痛が残ることがあるので、発症したら早期の治療をお勧めします。

まとめ

アデノウイルスに続き、水痘・帯状疱疹ウイルスについて記載しました。

感染症の予防と治療~アデノウイルス感染症~

2018年11月17日

同じウイルスでも、違う症状や違った病名があります。

ただ、どちらの場合もワクチンで予防することができます。

子供だけでなく、高齢者も帯状疱疹の予防は重要です。

また、リウマチの患者さんでJAK阻害薬(ゼルヤンツやオルミエント)を使用中の場合は、感染症に注意が必要で、帯状疱疹になるリスクも上がります。

2016年3月から、水痘ワクチンが高齢者の帯状疱疹予防目的で使用できるようになりました。

正しい知識を得て、制度を有効活用してしっかり予防することも大事かもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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ABOUTこの記事をかいた人

薬学部卒業後、そのまま大学院へ。 医療薬学を学び、患者さんのために最新の医療を実践するために病院薬剤師へ。 薬剤師で医学博士。 ここでは患者さんからの質問を調べつつ、役立つ情報を発信していければと思います。 専門は感染制御や救急、小児。お問い合わせもお気軽にどうぞ!!