流行性角結膜炎の症状:epidemic keratoconjunctivitis(EKC)について
今回は、赤目と目ヤニが特徴の流行性角結膜炎!
通称、はやり目ともいわれています。
夏場によくはやりますが、涼しくなってきた今の時期でも注意は必要です。
略してEKCと呼んだりもします。
医療機関において、患者はもちろん医療従事者がかかってしまうと、その感染力の高さからかなり危険度が高い疾患の一つです。
- 病原体:アデノウィルス8、19、37型などによる眼感染症で、夏季に多く発生する。
- 潜伏期間:7~14日。
- 症状:眼の異物感、結膜の充血、眼脂(目ヤニ)、流涙等主症状とし、約2週間で治癒する。その他に急性濾胞性結膜炎、耳前リンパ腫、点状結膜混濁、偽膜形成などの症状も出現する
- 感染可能期間/感染経路
発症から治癒する期間 | 曝露から14日で治癒 |
※感染可能期間 | 発症3日前から治癒するまで |
症状出現している期間 | 発症から14日まで |
感染経路は、流涙・眼脂で汚染された手指、タオル類や環境表面を介する接触感染。
要するに、手などが触れる場所(ドアノブやエレベーターのボタンなど)を通して広がっていきます。
感染力が非常に強く、簡単に他の人にうつります。
アデノウイルスに関しては、以下の記事も参照ください。
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流行性角結膜炎になると出勤できるのか?
流行性角結膜炎は非常に感染力が強いため、基本的には出勤停止となります。
医療現場で働いているならなおさら、医療現場でなくても発症してから1週間程度はウイルスの排出量も多いため、出勤停止だけでなく家でも家族などにうつさないように注意が必要です。
流行性角結膜炎でのポイント
- 手指衛生(手洗いをたくさんしましょう!)
- 水と石けんによる手洗いを積極的に行う。
- 環境整備(身の回りにある手でよく触れるものに注意が必要です!)
- よく手が触れる部分には要注意!!無意識のうちにウイルスが手について、目をこするとすぐにかかってしまいます。
- 目薬などは、感染が疑われる場合は家族などでも共有しない(一緒に同じ目薬を使わない)。
流行性角結膜炎では出勤、出席停止
アデノウィルスは環境表面(ウイルスが定着しやすい、身近な環境のこと)に10日以上も感染力を維持できるため、流行性角結膜炎患者がわかった場合、2週間はタオルなどの共有は避ける。
感染症法5類の感染症で、学校保健法では第三種に指定されているため、完全に治るまでは学校や職場へは出席・出勤は禁止です。
というか、目がかゆくて目ヤニもたくさん出るので、出席や出勤自体が難しいかと思います。
発症3日前からウイルスは目の周りについているので、集団生活を送っている場合は特に注意が必要です。
流行性角結膜炎の治療
流行性角結膜炎の治療に抗菌薬の点眼薬を使用することは、大きな間違いです。
流行性角結膜炎の原因はアデノウィルスです。
ウイルスですので、細菌に効果のある抗菌薬の点眼は使っても効果はありません。
まれに細菌の混合感染が疑われる場合には、抗菌薬の点眼薬が使用されることもあります。
特に、年少児などの子供は衛生管理を自分自身で行うことは困難なため、おもちゃやタオルなどウイルスに汚染されたものに対して予防的な行動をとれないため保護者の感染対策が重要となります。
インフルエンザも流行してきたこの時期。
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ウイルスには、たくさん種類がありますが、アデノウイルスにも注意が必要です。
あなたの周りに目が赤くて、目をこすっている人はいませんか??
インフルエンザ対策もそうですが、流行性角結膜炎にも手洗いが重要です。