かぜやインフル予防に補中益氣湯:受験期の子供にもおすすめの漢方薬:ストレスにも負けない


スポンサーリンク

最近漢方を改めて勉強してみてとても興味深い薬だと、個人的に思いました。

以前紹介した内容は少し難しかったかもしれません。

しかし、きちんとした専門医や認定薬剤師に診てもらうことで改善することもあります。

糖尿病への対策としての漢方薬:血糖値とインスリンの関係:EDなどの合併症について

2019年1月29日

前回は糖尿病でしたが、今回や身近な風邪やインフルエンザについて。

今シーズンもインフルエンザが猛威をふるっています。

昨年よりも流行状況が上回っているとの結果もあり、注意が必要です。

風邪には葛根湯のイメージが強いとは思いますが、意外と知られていない漢方の一つ。

薬剤師目線:かぜを引かないからだ作り、ストレスに負けないこころ作りにおススメの補中益氣湯です。

氣の薬である補中益気湯

補中益氣湯は、13 世紀の中国で李東垣先生により考案されました。

戦乱の世にあった中国で、かぜを引いた兵隊を3日で最前線に戻すための薬を作るように皇帝から命じられた李先生が、命がけで生み出した薬です。

人参、黄耆、朮、陳皮、生姜などが含まれています。

加齢により氣を使い果たしたとき、私たちはこの世を去ることになります。

氣の異常には3つのパターンがあるといわれています。

  1. 氣虚=氣を体内に取り込めなかったり、使い過ぎたりすることで、氣が足りなくなる
  2. 氣うつ=ストレスにより氣の流れが詰まってしまう
  3. 氣逆=ストレスによりブチ切れてしまう

これが3 つのパターンです。

補中益氣湯の効能

  1. 氣虚に対する補氣作用=エネルギー補給
  2. 氣うつに対する理氣作用=ストレス発散・免疫力アップ

の2つとなります。

氣虚に対する補氣作用=エネルギー補給

代表的な構成生薬

・ 人参:朝鮮人参のことで、昔から不老長寿の薬として有名な生薬です。

・ 黄耆:からだの傷を修復し、エネルギー漏れを防ぎます。

人参でエネルギーを補いつつ、黄耆でからだの傷を修復し、エネルギー漏れを防ぎます。人参と 黄耆を合わせて参耆剤と呼びます。参耆剤はスーパー補剤として、癌患者や多忙な研修医など、からだにもこころにも無理がたたっている人をサポートします。 なお、参耆剤の仲間には、十全大補湯、人参養栄湯、加味帰脾湯などがあり、癌患者の緩和ケア 領域で処方されています。

氣うつに対する理氣作用=ストレス発散・免疫力アップ

代表的な構成生薬

・ 柴胡:ストレスを発散し、免疫力をアップします。

・ 升麻:垂れているからだとこころをシャキッと引き締めます。

柴胡でイライラを発散し、升麻でからだとこころをシャキッと引き締め、免疫力をアップさせる ことで、インフルエンザを予防します。 帝京大学の新見正則先生は、2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1pdm2009)流行時に、補中益氣湯による予防効果について検討しています。

内服群(n=179)と非内服群(n=179)に分けて 8 週間観察したところ、インフルエンザの罹患者数は内服群で1人、非内服群では7人でした。

補中益氣湯で 新型インフルエンザを予防できる可能性があると報告しています。

補中益氣湯は King of Drugs:医王湯

補中益氣湯の適応は、ツムラ補中益氣湯エキス顆粒の添付文書によると、

消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:夏やせ、病後の体力増強、食欲不振、 多汗症、結核症、感冒、胃下垂、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随

色々な病名が並んでいますので、最初は混乱してしまいますが、先ほど述べた人参、黄耆、柴胡、升麻の効能を思い出すと、それぞれの病名を理解しやすくなります。

具体的には、

  • 人参:夏やせ、病後の体力増強、食欲不振
  • 黄耆:多汗症
  • 柴胡:結核症、感冒
  • 升麻:胃下垂、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随

と分類できます。

1 つの漢方薬で様々な病氣を治すことができることを異病同治と言います。

補中益氣湯は異病同治が可能な万能薬であり、King of Drugsを意味する医王湯と呼ばれています。

まとめ

今シーズンの風邪、インフルエンザは補中益氣湯で乗り切れるかもしれません。

からだとこころが疲れたと感じたら、補中益氣湯を試してみてください。

残念ではありませんが、私は今のところ風邪をひいていないため試すことができません。

実際飲んでみて、補中益氣湯が自分に合っているかどうかの判断基準は、

  • 飲んでみておいしいと感じたら、体力が落ちていて補中益氣湯が必要な状態
  • 飲んでみてまずいと感じたら、体力が十分あって補中益氣湯が不要な状態

です。

試すときはもちろん、漢方としての正しい飲み方をしてください。

飲み方などの注意点は下記の記事もご参照ください。

【漢方薬の飲み方】飲むタイミングのほかにも重要な要素があります。

2018年9月5日

おいしいと感じた方はインフルエンザの流行が終了するまで、あるいは元氣になっておいしいと感じなくなるまで、補中益氣湯を飲み続けましょう。

なお、補中益気湯は小児、特に受験が迫っているようなお子さんにもお勧めです。

風邪やインフ ルエンザに加え、受験のストレスにも負けない体と心を作るのに役立ちます。

補中益気湯を飲んでみておいしいと感じたお子さんは、そのまま飲み続けると、受験シーズンを乗り切れるかもしれません。


スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUTこの記事をかいた人

薬学部卒業後、そのまま大学院へ。 医療薬学を学び、患者さんのために最新の医療を実践するために病院薬剤師へ。 薬剤師で医学博士。 ここでは患者さんからの質問を調べつつ、役立つ情報を発信していければと思います。 専門は感染制御や救急、小児。お問い合わせもお気軽にどうぞ!!