麻疹や風疹の流行がテレビなどで取り上げられ、影をひそめている梅毒。
ですが、日本国内での梅毒患者は今もなお増え続けています。
梅毒患者が増加:感染が疑われる場合は早期に受診を
性感染症の梅毒患者が増え続けています。
2018年の患者数は7000人近くに上りました。
妊婦にうつると死産や早産になることもあると言われている梅毒。
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感染が疑われる場合、すぐに医療機関を受診し、治療を始めることが大切です。
梅毒の原因と感染者数
梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が原因で発症します。
性行為によって、性器や口、肛門の粘膜の傷などから、この細菌が体内に入ると感染します。
戦後間もない1940年代後半、国内に20万人以上の患者がいました。
その後、治療薬が普及して患者は減少しましたが、国立感染症研究所のまとめによると2011 年頃から再び増え始めたと言われています。
17年には44年ぶりに5000人を超え、18年は暫定値だが6923人。
2019年も4月7日までに1627人と昨年の同時期を上回っています。
[aside type=”warning”]注意
患者の中心は男性が20~40歳代、女性は20歳代。
10歳代の患者の報告もあります。 [/aside]
梅毒の症状
症状の出方は人によって様々です。
一般的には感染から3週間ほどたつと、性器や口、肛門など、感染した部分にしこりができます。
太ももの付け根のリンパ節が腫れることもあります。
治療をしなくても症状は消えます。
この時期を第1期梅毒といいます。
治療をしないまま感染から約3か月が経過すると、バラ疹と呼ばれる赤い発疹が、体や手のひらなどに現れるようになります。
発疹は出たり消えたりを繰り返すこともあります。
こうした症状が続く期間が第2期梅毒です。
3 年以上になると晩期梅毒と呼ばれ、ゴムのような腫瘍(ゴム腫)が皮膚などにできます。
何年もたってから心臓や血管などに異常が生じ、死亡することもあります。
発疹などが出ても、痛みやかゆみはほとんど伴わない場合もあり、症状が出なかったり、第 1 期と第 2 期の症状が混在したりする患者もいると言われています。
梅毒は何度でも感染します
治療では、ペニシリン系の抗菌薬を4週間前後飲み続ける必要があります。
2018年にクリニックを訪れた20歳代の女性は、腹部や胸、手のひら、足の裏に発疹が出ていました。
検査で梅毒と診断され、抗菌薬を使うと症状は治まりました。
パートナーにも検査を受けてもらったところ、梅毒に感染していることがわかりました。
このような身近に感染が広がっているケースは珍しくありません。
梅毒トレポネーマは感染力が強く、性器や口などの粘膜に触れると、ほぼ感染すると考えておいた方がよい疾患です。
特に第1期の時期は感染しやすく注意が必要です。
自分が梅毒にかかっていることがわかったら、必ずパートナーにも検査を受けてもらう必要があります。
自分または、パートナーが医療機関を受診することが難しい場合は、自宅で行える検査キットもあります。
梅毒は症状が治まったからといって治ったわけではありません。
症状がなくても少しずつ進行していきます。
また、梅毒は麻疹や水痘などと違い、1度かかっても免疫はできません。
再び、梅毒トレポネーマを持った人と性交渉を行えば、何度でも感染します。
まとめ
今回はあまり話題にはなりませんが増え続けている梅毒について、記載しました。
コンドームを使うことで完全ではありませんが、感染のリスクを減らすことはできます。
不特定多数の人と性交渉を行えば、その分、感染リスクが増えることも理解が必要です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。